霜や高温被害を減らす効果を期待 山形県が新型の「雨よけハウス」設計 サクランボ栽培へ
山形県内は28日の朝、冷え込みが厳しくなり霜による農作物への被害が懸念されています。こうした中、県は、霜被害や高温などのサクランボ栽培での被害を減らす効果が期待できる新型の「雨よけハウス」を設計しました。27日、関係者を対象にした説明会が開かれました。
小坂憲央アナウンサー「こちらが新型の雨よけハウスです。一般的なハウスと比べて一番の違いは天井部分。山型になっている。」
寒河江市の県農業総合研究センターで開かれたサクランボの新型雨よけハウスの説明会には、県やJAの関係者が参加しました。温暖化などの影響でサクランボ栽培は最近、春先の霜や、収穫期の高温による被害が増えているほか、高齢化や人手不足から農作業中の転落事故が増えています。
新型の雨よけハウスは、これらの課題を一挙に解決しようと設計されました。まず、ハウス天井部分に斜面をつくりビニール部分の面積を広げることで霜被害を防ぎます。
県農業技術環境課高橋由信さん「霜が降りるときは、物体から温度が上空に向かって冷えていく。それをビニールで広げることで上空に気温が出ていくのを防止する」
ビニールは遮光の役割も果たし高温障害をも防ぎます。天井側面のビニールを、開放することで換気ができ、熱を外に逃がします。さらに安全対策として、ハウス内に手でつかめる場所を多く設計し、転落事故を防止します。
参加者「画期的だとは思う。労働力が削減できて事故は少なくなるかと。どのくらいの費用がかかるかは教えてもらえなかったので、今後聞いていきたい。」
県は、今シーズンから新型ハウスでサクランボを栽培し、効果を検証することにしています。
県農業技術環境課本田浩央 スマート農業・技術普及推進主幹「そう簡単にはいかない部分もあるが、より効率的に作業ができる。しっかりサクランボの生産を維持できるというところを目指してより多くの生産者に栽培を続けてもらいたい」
新型ハウスの実用化の時期は未定ですが、県は参加者の意見も踏まえ、改良を重ねていくとしています。