体重無差別で柔道の日本一を決める全日本選手権 山形県警から2人が出場し健闘
体重無差別で柔道の日本一を決める全日本選手権が4月東京で開かれました。国内最強を決める憧れの舞台に立った山形県警機動隊の2人の巡査を紹介します。
天童市にある県警の機動隊が入る庁舎。機動隊員たちが、日々、大規模地震や水難事故などによる、行方不明者の捜索、救助訓練を行っています。
ここで、先輩たちから、アドバイスを受けながら訓練に励んでいるのが、この春、機動隊に配属された最上町出身の阿部拓馬巡査長(24)と去年、配属された鶴岡市出身の佐藤佑治郎巡査(22)です。
県警機動隊佐藤佑治郎巡査「先輩方は知識も技術も豊富なので現場での活動も数多くこなしているので分かりやすく教えてもらっている。優しいいい先輩」
県警機動隊阿部拓馬巡査長「頼りになる先輩」
先輩の須藤響巡査部長「素直なので教えがいもあってすぐ吸収してくれるので即戦力としてこれからの山形県警を背負っていくと思う」
そんな2人のもうひとつの顔が…。
柔道の特別訓練員。県警の警察官の中から選抜され、普段の勤務をしながら週4日練習に取り組んでいます。
県警機動隊佐藤佑治郎巡査「柔道は5歳からやっている。今は仕事の一部。訓練と柔道は向かう精神的な部分はどちらも同じ仕事」
県警機動隊阿部拓馬巡査長「小学1年から柔道をやっている。」
県警機動隊阿部拓馬巡査長(得意技はなんですか?)「内股です」
先輩の後藤昌毅巡査長「強いです。いきいきと柔道をしているので刺激されてがんばれる」
そして、佐藤巡査の得意技が…。
県警機動隊佐藤佑治郎巡査「背負い投げです」
先輩の布施佑晟巡査部長「今見てもらったように技のインパクトときれいに入ってくるので受ける方はすごく大変」
2人は4月、東京で開かれた柔道の全日本選手権に東北代表として出場しました。体重の制限が無い無差別の大会で、オリンピックや世界選手権のメダリストも出場する国内最高峰の舞台です。
県警機動隊阿部拓馬巡査長「無差別の大会なので自分と違う階級の人と試合が出来るのが醍醐味。自分より大きい相手を投げる。挑戦してみたい」
阿部巡査は2年ぶり2回目の出場。初戦の相手は、男子100キロ級世界選手権の代表選手。試合は、序盤からなかなか攻めることが出来ず、苦しい展開で進みます。そして、残り1分50秒。
技ありを取られてしまいます。しかし、相手が油断した所をすかさず抑え込んだ阿部巡査。横四方固めで1本勝ち。
県警機動隊阿部拓馬巡査長「投げられても最後まで諦めずにまだ続いていると思っていたので、すぐ抑え込めたのがよかった」
初戦を突破した阿部巡査でしたが、続く2回戦は、一本背負いで有効を取られ3回戦進出はなりませんでした。
一方、初戦を判定勝ちで2回戦に進んだ佐藤巡査。その相手は、バルセロナオリンピック・柔道銀メダリストの小川直也さんの長男、小川雄勢選手。出場選手の中で1番小柄な佐藤巡査に対し、小川選手の体重は、50キロ以上も多い135キロ。
県警機動隊佐藤佑治郎巡査「初めての出場で体が小さい方が不利だと観客も思っていると思った。受け身に回らず自分から前に出て、自分の柔道が出来ればとやってみたら観客が拍手して湧いて」
得意の背負い投げもポイントにはつながらず、勝敗の行方は判定へ…。白い旗2本上がれば佐藤巡査の勝利でしたが、上がったのは赤い旗2本。佐藤巡査も3回戦に進むことは出来ませんでした。
県警機動隊佐藤佑治郎巡査「憧れの大会で1勝出来たことが今後の自信につながる。今後の柔道にとって意味のある大会になった」
県警機動隊阿部拓馬巡査長「警察官として柔道をやらせてもらっているので市民や町のみなさんの力になれるように両立してがんばっていきたい」
全日本選手権で県警から2人が出場し、ともに初戦を突破したのは初めて。今後は、東北と全国の警察柔道大会のほか、国民スポーツ大会の予選に出場します。