9割で「病床に空きなし」インフル患者急増で“救急医療がひっ迫” 県が緊急会見 山梨
インフルエンザの感染が過去にない規模で拡大し医療現場がひっ迫しているとして10日、県が緊急会見を開き、救急車の適正利用などを呼びかけました。
県などによりますと、1月5日までの1週間に県内の定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者は786人で、3週連続で県内全域での警報レベルとなりました。
年末年始は多くの医療機関が休診となり患者数は前の週から減少しましたが、患者自体が減ったわけではなく受け皿となる救急医療の現場に流れ込んだといいます。
例えば中央市にある初期救急医療センターでは、1日の受診件数がセンター開設後の平均の4倍に達しています。また県内32の救急医療機関のうち、9割にあたる28機関が「病床の空きがない」などとひっ迫した状況を訴えていて、救急車の搬送先が決まらないケースも少なくないといいます。
県立中央病院高度救命救急センター 岩瀬史明 部長
「発熱で救急車を呼んだが、『搬送先の病院が決まらない』『10病院以上、聞いている』などと毎日のように電話が来る。それほど県内の医療機関の病床がひっ迫してしまって診れない状況」
県は軽症者はできるだけ平日・日中の受診を心がけ、自力で動ける人は救急車でなく自家用車を使って受診するよう呼びかけています。また、11日からの3連休に備え、家に解熱剤を用意するなど救急医療体制の維持に協力を求めました。
県立中央病院高度救命救急センター 岩瀬史明 部長
「2次救急をやっていて、救急車でなくてもいい患者さんが2~3割くらいはいる」
県感染症対策センター 井上修 医師
「今までの感染対策そのままなので、それを思い出して流行が下火になって安全になるまで対策を頑張って続けてもらいたい」
県は感染拡大を防ぐため基本的な対策に加え、体調に不安を感じる人は外出を避けてほしいとしています。