災害現場でドローン活用広がる 遭難想定し訓練 消防団には新チーム 山梨県
遭難事故が増える春の大型連休を前に、大月市で15日、ドローンを使った救助訓練が行われました。
甲斐市の消防団ではドローンの操縦に習熟した新チームを発足させるなど、災害現場でのドローンの活用が広がりを見せています。
大月市で15日に行われた訓練は、首都圏から訪れるハイカーの遭難が管内で相次ぐ大月市消防本部が大月警察署と合同で行いました。
約20人が3班に分かれ、 上空のドローンで遭難した人が発信するSOS信号をキャッチし、地上の捜索隊と連携して 要救助者を救助するまでの流れを確認しました。
ドローンを使った遭難救助訓練の実施は県内では初の試みで、従来より効率的な捜索ができるということです。
首都圏から日帰り登山を楽しめる大月周辺の山はハイカーの人気が高く、その分、遭難事故の発生も増えています。
この時期は朝晩と日中の寒暖差が大きく、大月市消防本部が注意を呼び掛けています。
大月市消防本部 深沢太輔 消防司令補
「上空から遭難者を特定する可能性が少しでもあるということで、地上隊からのアクセスも有効な捜索活動を展開できると思う」
一方、甲斐市消防団では今月、ドローンの操縦に習熟した男女4人が入団し、新チームが発足しました。
4人は「日本航空教育協会」でドローンの操縦を指導している専門家で、災害時に被災者の捜索や救助活動などで技能を生かす「機能別団員」として加わりました。
消防団に入団した原藤貴史さん
「火災現場に限らず行方不明者の捜索などで、甲斐市内のみなさんと一緒に機能別団員として関わっていきたい」
各地で消防団の人手不足が深刻さを増す中、甲斐市消防団では一般団員にもドローンの資格を取得させるなど、今後もドローンの活用に取り組んでいく方針です。