「言うこと聞いてくれずイライラして…」高齢者福祉施設で虐待 職員が自ら申告し発覚 山梨県
県は9日、県立の高齢者福祉施設の職員が入所者の女性に顔を平手でたたくなどの虐待行為をしていたと発表しました。
職員による虐待行為が発覚したのは、笛吹市の高齢者福祉施設 「県立青い鳥老人ホーム」です。
県や施設によりますと、今年7月9日から10日にかけてと16日から17日にかけて、40代の男性支援員が入所者の女性の顔を平手でたたいたりベッドに押し付けたりしていました。
虐待行為は少なくとも10回以上に上るということです。
男性支援員から「虐待をしてしまった」などと上司に申告があり、調べたところ、女性の顔に手形のあざが残っていたほか、室内を撮影するカメラに虐待の様子が映っていたということです。
聞き取りに対し、男性支援員は事実関係を認めていて、施設は7月31日付けで懲戒解雇処分としました。
被害女性には認知症の傾向があり、男性支援員は「女性がなかなか言うことを聞いてくれず、イライラして感情がコントロールできなくなった」と話しているということです。
施設には当時、34人が入所していましたが、日中は4人、夜間は1人の職員で担当していました。
このため、施設では研修を通じて職員の虐待防止への意識向上を図るほか、夜勤体制を見直して職員の負担軽減にも努めるとしています。
女性や女性の家族は警察への被害届は出さない意向だということです。
県や笛吹市は今後、施設への監査を行い、行政処分を検討します。