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【独自解説】人数減少で多忙な公務…国会で始まった“皇族減少対策”の議論、「2つの案」が出されるものの課題山積…男系天皇・女性天皇・女系天皇については「その議論は時期尚早だということ。いわば、先送り」と専門家が指摘する理由

2024年5月21日 10:15

 皇位継承の課題で度々話題に上がるのが、男系天皇・女性天皇・女系天皇です。男系天皇は「父方が天皇の血筋を持つ男性」、(男系)女性天皇は「父方が天皇の血筋を持つ女性」、女系天皇は「母方のみに天皇の血筋を持つ男女」という違いがあります。過去をさかのぼって女性天皇は8人が即位していますが、女系天皇は歴史上いません。

Q.女系天皇は、性別は関係ないということですよね?
(山下氏)
「そうです。男性であれば、“女系の男性の天皇”ということになります。“男系維持派”には、『女系自体を認めない』『それはもう天皇ではない』という考えの人もいます。今まで女性の天皇はいらっしゃいましたが、“男系の女性天皇”しかいらっしゃらなかった、ということです」

これまで何度も議論されるも進まなかった皇族数確保の課題 令和3年にまとめられた“2つの案”も課題が山積み「非常に難しいと思います」

 2024年5月17日、皇族数確保へ国会で議論が始まり、衆参両院の正・副議長、林芳正官房長官、与野党の代表者が参加。「安定的な皇位継承のあり方」について、それぞれの考え方を説明しました。

 皇族の課題については、これまでも何度か国会で議論されてきました。平成17年(2005年)小泉内閣では皇室典範に関する有識者報告書がまとめられ、「女性天皇・女系天皇を容認」「配偶者も皇族とする」などと明記されていましたが、翌年の平成18年(2006年)、悠仁さまの誕生に伴って議論はストップ。

 平成24年(2012年)野田内閣でも「内親王が一代に限って創設する案」「結婚後は皇室を離れるが、国家公務員として皇室活動ができる案」などがまとめられましたが、2か月後に政権交代して安倍内閣となり、またもや議論がストップ。

 平成29年(2017年)6月には「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立し、付帯決議として「安定的な皇位継承や女性宮家創設について、天皇陛下の即位後、速やかに検討すること」を求めましたが、しばらく動きがありませんでした。そんな中、令和3年(2021年)に有識者会議で“2つの案”などがまとめられました。

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