【異変】カレーライスの調理費用が過去最高値!肉、野菜の価格高騰に加え、深刻な米不足 国は「全体需要がひっ迫している状況ではない」との認識…この「令和の米騒動」はいつまで続くのか?原因と今後の見通し
止まらない食料価格の高騰。さらに、「令和の米騒動」と言われるほど深刻な米不足。その影響で、カレーライスの調理費用が過去最高になったといいます。この高騰はいつまで続くのでしょうか?その原因と今後の見通しを解説します。
■肉、野菜、お米…食材高騰で“カレー物価”が過去最高値に
8月13日「帝国データバンク」が2024年6月のカレーライス一食あたりにかかる調理費用を発表しました。それによると、ごはんが97円で前年同月比+8円。カレールーが25円で前年同月比+1円。具材が203円で前年同月比+20円。水道・光熱費は4円で前年同月比+0円となっていて、合計は2023年6月が299円だったのに対して、2024年6月は329円で、+30円となって過去最高値を記録しました。
カレーの調理費用高騰の要因は、①円安の影響で輸入牛肉が値上がり、②人参やジャガイモなどの野菜類もそれぞれ1kgあたり100円の値上がり、③米の値上がり、となっています。
「帝国データバンク」によると、7月のカレーライス物価は過去最高値を更新する見込みだということですが、8月に関していえば、野菜類の価格は『平年並みで推移』とされ値下がりも期待されています。しかし、米・輸入牛肉の価格は当面の間上昇が予想されており、この夏の間は高値で推移するとみられています。
■各地のスーパーからお米が消える“令和の米騒動”その原因は?
日本各地のスーパーで“米不足”により棚から商品がなくなっています。米の価格も高騰していて、東京都内にある寿司店の店主は、「(米穀店から)ウチも限界だから値上げさせてください」と言われたということです。「この10年くらい、値段が上がることはなかった」そうで、「米の仕入れ値が下がらなければ料理の値上げを検討せざるを得ない」ということです。
何故、米が不足して、値段が上がっているのでしょうか?その要因として考えられているのが…。
① 2023年の記録的猛暑・雨不足で、一部の米どころが“不作”に
② インバウンドの影響などもあり、外食産業の需要の増加
2024年上半期の訪日外国人が1770万人超と過去最多となりました。その外国人が訪日前に期待していたことの第1位が「日本食を食べること」だといいます。そのためか、インバウンドによる米の需要は前年比3.1万t増だと推定されています。
③ 政府による生産調整
2018年に約50年続いた「減反政策」は廃止されましたが、その後も米の生産量は減っています。そして、政府は引き続き、生産量の目安を示して、増産して良いような状況ではありません。農家からは、「天候などによる減少量まで見通して目安を出していたのか?」という疑問の声もあるといいます。日本農業法人協会の関係者は「国内だけでなく海外からも米の需要はあるので、国は生産量を増やす政策を推進すべき」といいう声もあります。
ただ、農業従事者は減っている上に、平均年齢が68.7歳、うち65歳以上が7割を占める状態で高齢化が進み、後継者も不足しているといいます。
④ 『南海トラフ地震臨時情報』発表による防災意識の高まり
大阪市内の米販売店によると「『南海トラフ地震臨時情報』発表期間は、通常の10倍以上問い合わせがあった」ということです。
■米“不足”と“高騰”、解消のメドは…?
米“不足”と“高騰”解消のメドですが、8月2日、坂本哲志農水相は「全体需要がひっ迫してる状況ではない。8月には新米が出回り始め、9月からは主産地の出荷も始まる」とコメントしています。
スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は、「店によってはもう新米は出ている。自分の店にも入荷の予定だ。価格は下がらないと思うが商品は供給されるので、そんなに焦らないで良いのでは?」と話しています。
(「情報ライブミヤネ屋」2024年8月22日放送)