【速報】「監督できていなかった」生後5か月女児が認可外施設でうつ伏せ死、検証委が問題指摘 和歌山・田辺市
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和歌山県田辺市の認可外保育施設で生後5か月の女の赤ちゃんがうつ伏せになり死亡した事故について、再発防止のための最後の検証委員会が開かれました。
2023年7月、田辺市の認可外保育施設「託児所めぐみ」から、生後5か月の柴尾心都ちゃんが意識不明の状態で病院に運ばれ、その後、死亡が確認されました。
和歌山県によると、搬送前に心都ちゃんはベッドでうつ伏せの状態で、ぐったりしていたということで、警察が司法解剖をした結果、死因は「窒息」と判断されました。
国の基準では、複数の乳幼児を預かる場合「2人以上」の保育者の確保を求めています。しかし、当時、施設にいたのは代表の女性「1人」という基準以下の状態で、4人の子供の世話をしていました。
県への取材で、この施設は過去にも3回、人員不足などで行政指導を受けていたことも判明。施設の代表は県の聞き取りに対し「長年の経験もあり一人で預かれると思っていた。ベッドで寝かせて5分おきに見ていた」などと話したということです。
県は基準が守られなかったことで、心都ちゃんがうつぶせになり窒息した可能性があるとして、心都ちゃんの死から約1年後の2024年9月、県は医師や保育関係者などでつくる検証委員会を設置しました。
14日午後1時から、最後の検証委員会が開かれ、最終的に取りまとめた報告書を県に提出しました。提出後、委員長の森下順子・和歌山信大大学教授は「今回の事故が起きて、どんな原因があり起きたのか、どうすれば良かったのか議論してきました。具体的な問題点は基準が満たされていない、行政の監督ができていなかったことを検証してきました」と述べました。そのうえで、全国の施設で、睡眠中の事故が後を絶たないことに触れ「子どもたちの安心と安全を守れるような保育体制を願う」と再発防止に向けた提言をしました。
報告書では、施設長が1人で保育を実施することが常態化し 保育従事者の適正な配置が行われていなかったほか、この施設は過去にも3回人員不足などで行政指導を受けていたにもかかわらず、行政は文書のみの注意で改善状況を確認していなかった可能性が高いことを指摘。今後、このようなことが起こらないよう、施設には子どもの健康状態や発育などの情報把握や、保育従事者の適正な配置を徹底させることに加え、行政には調査方法の再検討など実効性を伴う処置が必要だと提言しました。
子ども家庭庁によりますと、2023年までの9年間に全国の保育施設で確認された死亡事故は74件に上っています。2023年は9件の死亡事故あありましたが、そのうち4件は睡眠中の事故でした。