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物価高騰の中、スーパーが“価格据え置き” 値下げの“焼き肉”も…

2022年3月29日 20:01
物価高騰の中、スーパーが“価格据え置き” 値下げの“焼き肉”も…

ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価高騰などを受け、岸田総理大臣は緊急対策を、来月末をめどにとりまとめるよう閣僚に指示しました。食品や日用品などの値上げが相次ぐ中、あえて価格を抑える動きも出ています。

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ほどよい脂とうまみが特徴のアンガス牛のステーキを厚切りで提供する、東京・新宿区にあるサクレフルール神楽坂では、まん延防止等重点措置が明け、お得なキャンペーンを始めました。

サクレフルール神楽坂 宍戸道夫さん
「コロナバイバイ(倍々)キャンペーン」

なんと、お値段はそのままで、お肉の量を倍にして提供しているのです。まん延防止が解除されたものの外食需要が冷え込むなか、客足を取り戻すのが狙いです。店の入り口には、「まん防卒業」と書かれた卒業証書が飾られていました。

宍戸さん
「まん延防止措置とか、もうこれで終わりにしたい、バイバイしたいと」

その東京では、新たに7846人の新規感染者を確認。3日連続で前の週の同じ曜日を上回り、2倍以上になりました。

コロナ禍で迎える3度目の春は値上げラッシュ。来月からは食用油やチーズなどの食品にくわえ、電気料金も大手電力会社7社が値上げを発表しています。

70代
「ちょっと20~30円あがっているとか、そういうのが主婦としては気になるところ」

20代
「食費があがると、別の部分で節約しないといけないなと」

値上げが相次ぐ中、あえて価格を抑える取り組みもありました。スーパーの西友は、プライベートブランドの食品や日用品など1254品目を6月30日まで価格を据え置くと発表しました。

西友・商品本部商品開発部 平田賢三部長
「価格を据え置くのが一番(お客さんに)感謝をお伝えする形としてはいいのではないかと。当然、原価は上がっていますので、1商品あたりの利益は薄くなっています」

利益が低くても、利益がとれる商品とのバランスで価格の据え置きが可能になっているといいます。

全国に約500店舗を展開するイオン・イオンスタイルも、飲料やレトルト食品、日用品など、プライベートブランド約5000品目の価格の据え置きを今月末までとしていましたが、その期間を6月30日まで延長すると発表しました。

お客さん
「ありがたいよね、値上げしないのは」

価格の据え置きは、物流の効率化や、原料を一度にまとめて仕入れることなどでコストを削減し、実現できたといいます。

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値上げの波に価格を変えずに消費者を取り込んでいく中、ワタミ株式会社では3月29日の「肉の日」に合わせ、驚きの戦略が発表されました。

ワタミ 渡邉美樹会長
「ワタミ史上最大の値下げを行わせていただきます」

焼き肉の定番、和牛カルビやロースは649円だったものを429円に、890円で提供していたネギ塩牛タンは半額以下に値下げしました。

焼き肉の和民は29日から、店舗にある全ての商品をこれまでの価格から大幅に値下げし、429円以下で販売することを発表したのです。客単価は下がりますがその分、来店客数を増やし、冷え込む外食需要を打開する狙いがあるといいます。

販売価格を原価に近づけることでできた値下げ。渡邉会長は「『座して死を待つわけにはいかない』という思いの中で、値下げを決断させていただきました」とコメント、物価が上がるなか踏み切った大胆な新戦略です。

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相次ぐ物価の高騰を受け、岸田総理は原油価格の高騰や小麦などの価格上昇への対策を、来月末を目処にとりまとめるよう指示。関係閣僚会議で検討を進めることにしています。

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