岸井ゆきの、監督とは拳でコミュニケーション 主演女優賞作品の裏側明かす
この映画賞は、映画雑誌『キネマ旬報』が優れた作品や俳優を表彰するもの。1924年(大正13年)に始まった賞で2023年で96回を迎え、1929年からスタートしたアメリカのアカデミー賞より歴史が長く続いています。
岸井さんは『ケイコ 目を澄ませて』で、耳が聞こえないボクサーを熱演。他にも『神は見返りを求める』、『犬も食わねどチャーリーは笑う』、『やがて海へと届く』の4作品での演技が認められ、主演女優賞を受賞しました。
■岸井「拳を突き合わせるということが、言葉よりも強いコミュニケーションに」
岸井さんはトロフィーを受け取り「このような歴史ある賞をいただけてとてもうれしいです」と笑顔を見せました。続けて「映画の現場では、自分がどのようにこのシーンを捉えているのか、どれくらい共有できているのか不安になることがあります」と、現場で不安になることがあったことを吐露しました。
そんな中、『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が率いる撮影現場については、「私はこう思う、僕はこう思うっていうような、我々はこう考えるというところまで連れて行ってくれたから、物語を進めることができたように思います。それが本当に心強かった」と話し、「これからもこの“三宅組”のように、誰も置いていかないような現場で、いい映画作りに関わっていきたいと思っています」と今後の意気込みも明かしました。
そしてボクシングトレーニングには、監督が付き合ったそうで「週3、週4とかロケハン(撮影の下調べ)が始まる前までは、監督も一緒にトレーニングしていただきました」と明かした岸井さん。監督とのトレーニングが作品作りにどんな効果があったか聞かれると「あの時間こそが監督とコミュニケーションを取って、共通言語を作れた時間と言いますか。ボクシングのトレーニング中、プライベートなことを話したわけではないんです。とにかく拳を突き合わせるということが、言葉よりも強いコミュニケーションになったのではないかなというふうに感じています」と語りました。