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尾上松也「浅草で築いた絆を武器に」 心強い同志と挑んだ『新春浅草歌舞伎』の10年

2024年1月2日 21:50
尾上松也「浅草で築いた絆を武器に」 心強い同志と挑んだ『新春浅草歌舞伎』の10年
尾上松也さん
東京・浅草で2日から上演される『新春浅草歌舞伎』(26日千穐楽)に出演する、歌舞伎俳優の尾上松也さん(38)に、日本テレビアナウンサー・市來玲奈がインタビュー。ワンチームで舞台に挑んだ10年を振り返っていただきました。

1980年に『初春花形歌舞伎』として浅草での歌舞伎興行が復活。2003年に名称を変更し、今年で40回目を迎えた『新春浅草歌舞伎』。若手俳優が大役に挑むことができる“若手歌舞伎俳優の登竜門”として、これまで公演を積み重ねてきました。

――今回の『新春浅草歌舞伎』の見所を教えてください。

僕も含めて7人が、今年『浅草歌舞伎』を卒業させていただくということになっておりますので。今まで以上に僕らの作ってきた『浅草歌舞伎』として、一丸となってそれぞれの集大成をお見せしたいなという思いがあって。演目立ても含めて、構成させていただきましたし、みんなが一緒に舞台に立っていられるという空間が、1つの魅力であり、面白さにもつながるんじゃないかなと思いますね。

■『新春浅草歌舞伎』 先輩・後輩の垣根は考えずワンチームで

今年、これまで出演を続けてきた中村歌昇さん(34)、坂東巳之助さん(34)、坂東新悟さん(33)、中村種之助さん(30)、中村隼人さん(30)、中村米吉さん(30)、そして尾上松也さんが、今回の出演で一区切りとなります。

――今回の出演で一区切りとなりますが、お気持ちはいかがですか?

本当にいろんな経験をこの10年間でさせていただいて。何よりも僕らが『浅草歌舞伎』を任せてもらえるようになって1年目から思っていたのは、僕らの代で『浅草歌舞伎』という公演が、なくならないようにしなきゃっていうことがあったので。なんとか次の世代に、この『浅草歌舞伎』のバトンを渡せたというのは一安心なところではあります。僕らにとっては恩返しも含めて、最後卒業して道を譲るというのは理想の形かなと思いました。

――10年一緒に走ってきたメンバーは、松也さんにとってどのような存在ですか?

この『浅草歌舞伎』に関しては、先輩・後輩という垣根はあまり考えずに、ワンチームで作っていこうよという思いを持って、この10年やってきました。そういう意味では、この浅草を一緒に乗り切ってきたメンバーというのは、後輩でありながら、心強い同志であるし『浅草歌舞伎』としては、僕らの世代はこれで一区切りになりますけれども、歌舞伎役者としてこれからも一緒に物作りをしていくわけですから、この絆というのを大切に、それぞれが活躍して、それぞれ他の場面で一緒になっても、この時の浅草で築いた絆を武器に、歌舞伎界を盛り上げていきたいなと思いますね。

■2024年は歌舞伎にとどまらず演劇でも貢献できる年に

――2024年の仕事やプライベートは、どんな1年にしていきたいですか?

自分の中で、何がモチベーションになっているかと言えば、次に決まっているお仕事。それに向かっていくこと自体が僕にとっては“モチベーション”になるので。とにかく与えていただいた仕事というのを懸命にこなしていくということが第一ですかね。歌舞伎だけにとどまらず、演劇というエンターテインメントという世界の中で少しでも貢献ができるような年にしていけたらなと。2023年はそういう意味では新作をたくさんさせていただいたり、チャレンジをたくさんさせていただいた年でしたので、そういうチャレンジ精神というのは、毎年忘れないでいたいなと思いますね。