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保護猫58匹を世話 モーニング娘。小田さくら「猫を見た時“かわいい”以外を思って」

2023年7月26日 6:40
保護猫58匹を世話 モーニング娘。小田さくら「猫を見た時“かわいい”以外を思って」
“生まれた時から一緒” モー娘。小田さくら、猫について語る
アイドルグループ・モーニング娘。’23小田さくらさん(24)が、たちとの生活をまとめたフォトエッセー『さくらと猫』を発売しました。生まれたときから過ごしてきた猫は、全て保護猫だという小田さん。その数は、家で飼った猫とミルクボランティアでお世話した猫をあわせると、58匹に。家族と一緒にしてきたミルクボランティアの体験談や、保護猫と過ごしてきた小田さんが思う“猫について知ってほしいこと”などをインタビューしました。

――現在、小田さんが飼っている4匹の猫(セイラ・のぶお・吉・クマ)も保護猫です。どんな背景があって家に来たのでしょうか。

今いる4匹は、捨て猫出身が2匹。生まれてすぐの状態で、工場の裏にビニール袋とかに入れられて捨てられていた3きょうだいのうち2匹はうちに来て、1匹はよその家にいって…っていうのが、のぶおとセイラのきょうだいです。吉(きち)とクマは、多頭飼育崩壊(世話できる数以上に猫などを増やし、飼育できなくなる状況のこと)っていう、猫をどんどんどんどん増やしちゃって、もう手がつかなくなっちゃった(ところの猫)。

――そういう背景を知って、どのように感じましたか?

“かわいい”と私は思うんですけど、猫のこと。“かわいい”ということが、猫自身を苦しめる武器になり得るんだなと。“かわいい”しか考えられない人の手によって増えて、生きていけなくなって。野良猫にご飯あげちゃうとか、“かわいい”から拾ってきちゃうとか、その優しさが元凶になったりしてるんだなって、ボランティアをしていてより一層感じました。

■ミルクボランティアで“大変さ”痛感 アイドル活動に影響も

――小田さんが取り組んだ“ミルクボランティア”とは、どういう活動なのでしょうか?

保護猫の団体や法人、猫を保護してる活動をされている方でも、ミルクの時期の子猫って本当に手が回らなくなるんですよ。母猫と引き離されちゃった子は、2~3時間に1回はミルク…とかになるので、おうちでボランティアとして助ける(活動)。

一番ちっちゃい子は100何グラムの子猫にミルクをあげて、離乳食で自分で食べられるようになるまで教えて、トイレを覚えさせて。大体500グラムとかになったら、自分でいろいろできるようになるので、そうなったらお返しするっていうのを、1か月に1組(2~5匹)ペースで何回かやっていました。

――ミルクボランティアで大変だったことは?

これは私の職業柄もあるかもしれないんですけど、猫はお母さんから吸ってる姿勢に近づくために、うつぶせにさせて(ミルクを)飲ませるんですよ。1匹ずつ“ベストポジション”があるみたいで。顔を持ってミルクを持って、絶対そこから動かないように、ズレると「もう飲みません」って言われるので。“ここですね”っていう位置をキープしたまま10分とかやってると、肩甲骨と首が集中しすぎてガチガチになるんですよ。次の日がコンサートってなると、可動範囲がめっちゃ狭くなっていたりして、結構背中と首が痛くなっちゃったりしました。

――大変な一方で、ミルクボランティアを経験して気づいたことは?

すっごいかわいいんですよ、本当に! かわいいと思うじゃないですか、子猫って。もうその倍くらいかわいいです。触れ合っていると、その大変なこととかを全て忘れるくらい。「やったー! ミルクの時間だ」って、こっちがなるくらいかわいいんです。そのかわいさが財産でした。それでも、こんなに大変でも“かわいい”って思える私は“猫を飼うことに向いている人”で、“かわいいけど大変”っていうのが勝っちゃう人は、猫を飼えないんだなっていうのをすごい思いました。

■“猫ファースト”の生活 アイドルだけど…「できないこと」

――生活において“猫ファースト”を掲げている小田さん。常に気にかけていることは?

アイドルの女の子たちって、いい香りがする子がすごい多いんですよ。私もそういうアイドル像でいたいなって思うんですけど、天然物のアロマであっても猫にとってはすごく負担が大きかったり。私たちより鼻が利くから、それで猫にとっては頭痛くなっちゃうくらいかもしれない。柔軟剤の香りとか、洗濯もできるだけ香りがしないものを使って。香水も全然つけないですし、お化粧した後とかは手を洗ってから猫に触るようにしますね。

――制限されることもありますが、やはり猫は“癒やし”?

どんな嫌なことがあってもドアを開けると、(猫が)もういるんですよね。見ているんですよ、私のこと。その瞬間に脱力できる。猫の自由な感じとかリラックスしてるのを見ると、私も“そんな力むことないな”って思える。そうやって猫を見るだけで力を抜くことができるっていうのは、すごい助けられてます。

■伝えたいのは「野良猫を見たときに…」

――小田さんが本を通して一番伝えたいことは、どんなことですか?

「保護猫の活動に参加してください」とかそういうことよりも、たとえば野良猫を見た時に“かわいい”以外のことを思ってもらえるといいな、っていうのはすごい思いますね。“かわいい”から、なつくからご飯あげようって思った。次、その子が5匹産んでしまったら、事故とかに遭う確率が高い命が5匹増えるわけですよ。だから、野良猫にご飯をあげるとかっていうのは“優しさじゃない”っていうことを知ってもらえると。“何を今すぐしてください”ってわけじゃなくて、ちょっと視野を広げてもらえたらうれしいなと思ってます。