氣志團・綾小路 翔「俺にとっての指針」 千葉のローカルスター・ジャガーさんから学んだ“人生”
2023年2月28日をもって、45年の歴史に幕を下ろす津田沼パルコ(千葉・船橋市)で、閉館に向けた音楽とトークのイベント『THE LEGACY(ザ・レガシー)』が開催。「THANK YOU JAGUAR SPECIAL TALK LIVE」と題されたトークショーに、ジャガーさんと親交があった綾小路さんが登場し、初めて出会ったときのことやフェスでの思い出などのエピソードを披露しました。
JAGUAR(ジャガー)さんは、「宇宙のかなたにあるという“ジャガー星”から地球に移り住んだ」と自ら語る、千葉を拠点に活動するミュージシャンです。自ら作詞・作曲を手がけるほか、「レストラン」「美容室」「ライブハウス」「看板製造」「喫茶店」「スナック」を営み、“経営者”としての顔ももっています。“数々の伝説”を残しながらも、2021年10月に所属事務所が“出身地のジャガー星に帰還した”ことを報告していました。
■中学3年生の綾小路 翔を優しく迎えた面接官・ジャガーさん
ジャガーさんが経営していたJAGUAR CAFE(ライブハウス)の求人が雑誌で出ていることを知り、面接に行ったという綾小路さん。「中3になって進路のことを考えるようになって、とにかく自分は東京に行ってバンドをやるんだと思っていて。“東京”とか言ってる割にビビってるんで“東京の1個手前”のところにジャガーさんのライブハウスがあると伺って電話したら“面接においで”と言われたので、履歴書を持って行きました」と告白しました。
「ジャガーさんのところで働けるってすごい経験になるんじゃないかと思って行ったら、まさかのジャガーさん(本人)が出てきて。“面接、ジャガーさんが!?”みたいな。話していたら至極まっとうに“中学生は雇えないから、高校生になったらおいで。待ってるからね”と優しく言われました」と、ジャガーさんの優しい人柄を明かしました。
■氣志團万博にオファー 観客の度肝ぬいた“伝説の15分間”
続いて2017年、氣志團主催の音楽フェス『氣志團万博』のオープニングアクトとしてジャガーさんが出演したときの秘話を語った綾小路さん。「千葉で自分のフェスをやるのが夢で、ようやく回数を重ねて落ち着いてきたので満を持して(ジャガーさんに)オファーをさせていただいたら、ご快諾いただきまして。しかし、ジャガーさんが一体、何をやるのか全く知らされないままで…」と、当日までどんなパフォーマンスするか明かされていなかったことを暴露。
さらに、「ジャガーさんが(ステージに)早速現れたんですけれども、後ろに“謎のお姉さんが3人付いてくる”っていう。全員度肝を抜かれてましたね。みんな朝一から来て、ジャガーさんの独創的というか型破りな、何にもとらわれないステージに“何が起こっているんだろう”という15分間を体感して。わからないけど“今日はいい日になるぞ”と(笑) 素晴らしかったですね」と、“伝説のステージ”だったことを話しました。
■現代の人に伝えたいジャガーさんの存在 「誰かと違うことを全然怖がらない」
そして、“綾小路 翔さんにとってジャガーさんはどんな存在?”と聞かれると、「面白い人なのかな? と思ったんですけど、全然そんなことなくて“常にピュア”。本当に好きなことを好きなようにやって、自由をこよなく愛していますし。現代の人たちにジャガーさんの生き方を今一度知ってもらいたい。誰かと違うことを全然怖がらないですし、誰にどう見られようが何でもよくて。むしろ笑ってくれたら幸せ、みんな元気出してくれてよかった、っていう。人生生きる上で、この人が俺にとっての指針だなっていうふうにすごく思っているんです」と尊敬の念を抱いていることを明かしました。
また、「僕らも“ちっぽけなプライド”とかが生まれた時期があって。街角で(風貌を)笑われますし。僕らを“ちゃんと音楽やってる”と思ってくれる人もいれば、“色物でしょ?”っていう人もいるんですけど、その頃にジャガーさんを見ていて、そんなの何にも気にしない。子どもが指さして“なんだあれ”って言おうが、大人たちが怪訝(けげん)な顔で見ようが、最後は全員を笑顔にさせてしまって。“俺、まだまだだな”って思ったんです。いつかジャガーさんみたいになるのが夢です」と、目標としていることを語りました。