市川中車「父は北風のように、段四郎の叔父は太陽」 父・猿翁との初対面を回顧
市川中車さんが父・猿翁さんとの思い出を語った
2023年に83歳で亡くなった歌舞伎俳優の市川猿翁さんと、76歳で亡くなった市川段四郎さんを追悼する『澤瀉屋 送る会』が28日、都内で営まれ、猿翁さんの息子である市川中車さん(58)と孫の市川團子さん(20)が取材に応じ、中車さんが父・猿翁さんへの思いを語りました。
猿翁さんとの思い出について中車さんは「私は非常に父と縁が薄く、25歳になる年でしたが父と一度も会ったことがない。このままでは父と会う機会はもうないのではないかと思い、ある日思い立って、“きょう会わねばいつ会うんだ”という気持ちで、父のことも一門のことも当時、考えずに自分のことだけを考えて、1990年の春、父に会いに行こうと決意した日がございました」と、猿翁さんと初めて会った日のことを振り返りました。
中車さんは、猿翁さんと元宝塚女優の浜木綿子さんとの間に生まれ、2人が離婚後、浜さんに育てられ、猿翁さんとは疎遠になっていました。
当時、猿翁さんは巡業中で、中車さんは巡業先の静岡まで車を運転して会いに行ったそうです。「公演の途中なので父はびっくりして、白塗りをしたまま非常に怒りまして、“あなたは私の息子じゃない。あなたと別れたときから私の人生は始まった。あなたは息子でもなんでもない。帰りなさい”と冷静に伝えられた日のことを昨日のことのように覚えています」と怒られたそうですが、中車さんは「僕はそれを聞いて、“あなたのことを愛している”というふうにしか聞こえなかったんです」と告白。「僕はこの人に会えてよかったと思いました」と振り返りました。
その後、叔父の段四郎さんとの対面も果たし、「“よかった。よく会いに来た”と太陽のような笑顔でほほ笑んでくださいました」と語り、「父は北風のように強烈な風を浴びせ、段四郎の叔父は太陽のように暖かい光を浴びせてくれました。2人とも僕のことを愛していると言ってくれているような気がしました。もしかしたらそれは僕の人生にとって一番幸せな日だったかもしれません。それほど段四郎の叔父と父・猿翁の対照的な態度は今でも覚えています」と思い出を口にしました。
猿翁さんとの思い出について中車さんは「私は非常に父と縁が薄く、25歳になる年でしたが父と一度も会ったことがない。このままでは父と会う機会はもうないのではないかと思い、ある日思い立って、“きょう会わねばいつ会うんだ”という気持ちで、父のことも一門のことも当時、考えずに自分のことだけを考えて、1990年の春、父に会いに行こうと決意した日がございました」と、猿翁さんと初めて会った日のことを振り返りました。
中車さんは、猿翁さんと元宝塚女優の浜木綿子さんとの間に生まれ、2人が離婚後、浜さんに育てられ、猿翁さんとは疎遠になっていました。
当時、猿翁さんは巡業中で、中車さんは巡業先の静岡まで車を運転して会いに行ったそうです。「公演の途中なので父はびっくりして、白塗りをしたまま非常に怒りまして、“あなたは私の息子じゃない。あなたと別れたときから私の人生は始まった。あなたは息子でもなんでもない。帰りなさい”と冷静に伝えられた日のことを昨日のことのように覚えています」と怒られたそうですが、中車さんは「僕はそれを聞いて、“あなたのことを愛している”というふうにしか聞こえなかったんです」と告白。「僕はこの人に会えてよかったと思いました」と振り返りました。
その後、叔父の段四郎さんとの対面も果たし、「“よかった。よく会いに来た”と太陽のような笑顔でほほ笑んでくださいました」と語り、「父は北風のように強烈な風を浴びせ、段四郎の叔父は太陽のように暖かい光を浴びせてくれました。2人とも僕のことを愛していると言ってくれているような気がしました。もしかしたらそれは僕の人生にとって一番幸せな日だったかもしれません。それほど段四郎の叔父と父・猿翁の対照的な態度は今でも覚えています」と思い出を口にしました。