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間寛平、つらい時 “救い” に 大事な言葉は「アホやなぁ…」

2022年3月4日 21:40
間寛平、つらい時 “救い” に 大事な言葉は「アホやなぁ…」
吉本新喜劇のGMに就任した間寛平さんにインタビュー

吉本新喜劇のゼネラルマネージャー(GM)に就任した間寛平さん(72)にインタビュー。2月28日に行われた定例会見では、若手を育てるための新公演『吉本新喜劇セカンドシアター』を4月からスタートさせることを発表し、“新しい新喜劇” を始動させました。吉本新喜劇が抱える課題、若手の座員たちの現状、そしてつらい時に “自分を救った言葉” について伺いました。

■新喜劇は「全然若手が育っていない」 一人ひとりに “電話” でコミュニケーション

――ゼネラルマネージャーを引き受けたときの心境は

(吉本新喜劇から)もう35年離れているから「大丈夫かな」と思っていたんですけど、嫁に「やるんやったら、“恩返し” のつもりで引き受けて、頑張り!」って言われたから「あぁ、そうかなぁ」と思って。

――就任してから気づいた “新喜劇の問題点” は何かありますか

若い子が全然育っていない。(座員が)110人ほどいてんねんけど、出てるメンバーがほとんど決まっているし。3か月にいっぺんか半年にいっぺん、新喜劇にちょっと出してもろて、あとはみんな “バイト”。だから、入った意味がない。(年に)4回出られたら、まだ十分ですよ。もっと出てない子もいてるし。

――若手の座員と、どのようにコミュニケーションを取っていますか

普通に電話してますよ。「寛平やけど―」って。「あぁ!ありがとうございます!」って。普通に、普通に。

寛平:「劇場出してもろてるか?」 若手:「いや、全然出てません」
寛平:「おまえ何してんねん?」 若手:「バイトしてます」
寛平:「どういう気持ちでいてるの?」 若手:「出たいです」

「新しい劇場作るし、みんなで切磋琢磨して、できるようにするから。頑張りや―」って。「ありがとうございます!頑張ります!」って声が、どんどんどんどん聞こえてくる。(マネージャーに)電話番号を全部メールに入れてくれって。それで、メールに入ってるやつを順番に(電話する)。(1日)2、3人でいっぱいいっぱいですわ。1人1時間しゃべるやつもいてるし…。

――具体的にどんな言葉をかけていますか

「思いっきりやれ」っていうことは言いますね。「失敗してもかまへん」と。「失敗したら失敗したで、ええやん」って。「やるだけやってみ」って。(若手が新喜劇に)出られるように、チャンスを与えてあげんと。チャンスを与えてあかんかったら、違う仕事に行ったほうが(いい)。そのままずっと行っても、最後すごいつらい思いをするから。

■藤井隆にすっちー 新喜劇から生まれた “スター” の共通点

――“スター” になるために必要なことは

“舞台の経験” もどんどん踏まんとあかんし、ネタもちゃんと考える。新喜劇の中でできるネタ。やっぱり “人と違うことをやらんと出てこられへん” から。今、新喜劇でもすっちーが頑張ってやってくれてますけど、あの子も “乳首ドリル” とかわけのわからんこと考えたり…ね。藤井隆くんは「フォー!!」言うだけやもん! だけど、すごいやん! それでここまで来たんやもん。そうして作っていかんと(スターになるのは)なかなか難しい。

■寛平さんが “つらいことをかわす” 魔法の言葉「ホンマ、アホやなぁ…」

――寛平さんは自分の気持ちが腐ったとき、どう乗り越えていましたか

自分に「アホちゃうかなぁ俺…」って、よう言ってたな。それが “救い” になってたかもわからへんな。自分に言うたりすると。

――最近「アホちゃうかなぁ…」と思ったエピソードはありますか

(吉本)社員とカレー食べに行ってん。スプーンを口に入れたときに、スプーンを「ガッ!」とかんだんや。(奥歯を)2本ボキっていってもうたんや。歯医者に行って抜いて、先生が(歯を)作ってくれたんや。それで番組に行った時、ちょっと取ろうと思って、「きれいに洗っておこう」って洗って、ティッシュにくるんで置いて。(番組が)終わってから、そのまま帰った。その時、ゴミやと思ってポンと捨ててるわけやんか。夜中12時くらいに、ふっと思いついて。「あれ…? あっー! 俺、歯、捨ててもうた!!」 その時「ホンマ、アホやなぁ…」って、ふっと出たわ。だから、自分に言うてますわ。それで “自分のつらいところ” を、かわしてますわ! ホンマやわ! よう言うわ!

――それは最近の話ですか

おとついや! (笑)