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濱口竜介監督 ベネチア・銀獅子賞を獲得し、早くも「次回のプロジェクトを準備しています」

2023年9月12日 22:50
濱口竜介監督 ベネチア・銀獅子賞を獲得し、早くも「次回のプロジェクトを準備しています」
濱口竜介監督
イタリアで開催された第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した、映画『悪は存在しない』の濱口竜介監督が12日、都内で会見を行い、次回作について明かしました。

今回、銀獅子賞を獲得した映画『悪は存在しない』は、自然豊かな長野県で暮らす親子の家の近くでレジャー施設のオープン計画が持ち上がり、波紋が広がっていく様子を描いた作品です。

濱口監督は、映画『ドライブ・マイ・カー』で2022年、米・アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞。さらに、同作でカンヌ国際映画祭の脚本賞、映画『偶然と想像』でベルリン国際映画祭・銀熊賞に輝いており、世界三大映画祭といわれる祭典の全てで賞を得たことになりました。

会見で記者から、“『ドライブ・マイ・カー』の後には「休みをとりたい」と発言していた”と、過去の自身の発言に絡んだ質問が。『ドライブ・マイ・カー』からどのように今作の製作につながっていったのか聞かれると、「『ドライブ・マイ・カー』の後はそれなりに疲れていて、休みたいと思っていたのは本当ですし、実際半年くらいは何もしないで休んでいた。一方でこのプロジェクトを進めたのは、これ自体が休むこととそんなに自分の中で違わない。回復するプロセスだっていうことです。自分の中では映画を作りながらアウトプットをするだけではなくて、インプットをするようなそういう映画製作が必要だったと思っているんですけど、『悪は存在しない』は結果的にこういう作業だったということです」と明かしました。

また、今後製作していきたいテーマについて考えていることがあるか聞かれると、「次のプロジェクトはあるかということに関しては準備をしていますが、これと同じように十分にインプットを得られるような形で続けていけたらいいなと思っています」と語りました。