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声優・たてかべ和也さん通夜、900人参列

2015年6月23日 21:20
声優・たてかべ和也さん通夜、900人参列

 18日に急性呼吸器不全のため亡くなった声優のたてかべ和也さん(本名=立壁・和也、享年80)の通夜が23日、東京・青山葬儀所で営まれた。

 たてかべさんは生前、テレビアニメ「ドラえもん」のジャイアン、「タイムボカン」シリーズの三悪・ワルサー(タイムボカン)やトンズラー(ヤッターマン)、「ど根性ガエル」のゴリライモ、「はじめ人間ギャートルズ」のドテチンなど、個性的なキャラクターの声を担当。多くの実績を尊敬し慕う声優仲間は多く、通夜には「ドラえもん」でスネ夫の声を務めた声優の肝付兼太さんら900人が参列した。

 遺影は、雑誌の取材で2014年6月3日に撮影した笑顔のそれ。314本の花で彩られた祭壇には、所属事務所スタッフの「(たてかべさんは)愛があふれる人だった。愛をもって送り出したい」という思いから、ジャイアンカラーであるオレンジ色のダリアの花でデザインされたハートマークがレイアウトされた。
 戒名はなく、俗名の「たてかべ和也」の名前で送り出すという。

 ジャイアンのトレードマークであるオレンジ色のTシャツを着たたてかべさんが眠るひつぎには、関係者からの感謝の手紙やたてかべさんのことを書いた新聞記事、ファンから送られた花などが納められた。

 弔辞を読み上げた肝付さんは、「5年前にかべさんが胃がんだと告白してくれたとき、僕も肺がんであることを告白したね。そして、手術の日も1週間違いだった。まわりには『かべさんときもさんは本当に仲がいいね。そこまで付き合うことはないのに』とからかわれましたね」と懐かしそうに明かし、たてかべさんと過ごした55年を「語りつくせないほどの思い出があります」としみじみ。「55年の間、友だちでいてくれてありがとう。天国の入り口では、仲間が大拍手で迎えてくれるのでしょうね。いいなぁ。早く私も行きたいな。でも僕は、もう少し地上で頑張ってみます」と約束し、最後はスネ夫の声で「ジャイアン、どうしてジャイアンのくせに、先に行っちゃうんだよ」と盟友との別れを惜しんだ。

 関係者によると「ドラえもん」の声を務めた女優で声優の大山のぶ代(81)さんは参列はしなかったが、たてかべさんにメッセージを寄せた。大山のメッセージは出棺の際に、ひつぎに入れられる予定という。