中村勘九郎、息子の舞台を「見せたかったな…」 57歳で亡くなった父・勘三郎さんに思いはせる
取材が行われた2月15日は、1624年に江戸で初めて芝居小屋が建てられた日にちなんだ『江戸歌舞伎発祥の日』。それからちょうど400年、『江戸歌舞伎発祥之地』記念碑の前に勘九郎さん、勘太郎さん親子がそろいました。
2月2日から『十八世中村勘三郎十三回忌追善』と銘打った公演『猿若祭二月大歌舞伎』が開催されています。勘九郎さんは、「江戸歌舞伎が始まって400年。歌舞伎座で猿若祭ができて、それがうちの父の十三回忌、勘三郎という名前が付いた猿若祭になったというのは、向こうにいってもこのプロデュース能力! 鳥肌が立ちました。かっこいい父ですね」と、亡き父に思いをはせました。
■父・勘三郎さんの教えを息子へ「伝えることができるのもうれしい」
演目『猿若江戸の初櫓(はつやぐら)』では、これまで勘三郎さん・勘九郎さんが演じてきた猿若役に勘太郎さんが初挑戦。勘九郎さんは父・勘三郎さんの教えを息子に伝えているそうで、「私も猿若を初役で演じたときは父から指導を受けましたし、父から教わったことを彼にちゃんと伝えることができるのもうれしい。それを(勘太郎さんが)吸収して、もちろんまだまだですけれども日々真摯(しんし)に取り組んでいる姿は、親としてうれしいですね」と、成長を実感していることを明かしました。
そして、勘九郎さんは「(父・勘三郎さんは)57歳で逝ってしまって、生きていたらまだ70歳前ですから普通に舞台に立っていたと思う。彼(勘太郎さん)の猿若もそうですし、(勘太郎さんの弟の)長三郎とは連獅子を踊っているので、見せたかったな…というのはありますね」と語りました。