声優・藤寺美徳18歳 中学3年生でデビュー 「いろんな表現ができる声優になりたい」

■高校生を演じる上で心がけたのは“等身大”
『響け!ユーフォニアム』などで知られる、武田綾乃さんのマンガが原作ということでも話題の『花は咲く、修羅の如く』。藤寺さん演じる朗読好きの高校生、春山花奈(はるやま・はな)が高校で放送部に入り、仲間と共に朗読を通して成長する姿を描いた“声”が紡ぐ青春ストーリーです。
――役作りで意識したことはありますか?
“等身大でいよう”っていうのはすごく心がけていました。花奈ちゃんはすごく素直な子なので、他のキャラクターたちの言葉をまっすぐ受け取って、それをまっすぐ返す子だなと思ったので、私も現場でみなさんのお芝居を聞いてまっすぐ受け取って、それをまっすぐ返せるように、自分を変に飾らないみたいなのはすごく意識していました。作中全体を通してなんですけど、高校生の空気感っていうのをとても大切にしている作品で、それは(自分も)高校生だからなんですけど、すごく自分の中に落とし込みやすかったといいますか、高校生の空気感を花奈ちゃんで演じるっていうのは、すごくすっとできたような気がしています。
――藤寺さん自身が高校生であることを演技に生かせた部分はありましたか?
全部かもしれないです。学校で過ごしていることが全部リアルみたいな感じなので、友達と話している時の自分の声量とか、その空気感とかは本当にお芝居に全部生きているなって思います。友達と階段を上っているときに「ハァハァ」言いながらしゃべるとか、そういうのも全部お芝居につながっているなと思っています。
■高校生活と声優活動の両立 今だから言える大変だったこと
中学生の頃、演劇部に所属し芝居の楽しさを感じていたという藤寺さん。中学3年生の時にシリーズアニメの一般オーディションでグランプリを獲得し、声優デビューを果たしました。
――高校生活と声優活動の両立はどのようにしていましたか?
私は時間配分を朝起きたときに決めるのが、自分には合っているなと思いまして、お芝居が好きなので、台本を読んでアフレコまでに準備できるものが多ければ多いほど、きっと現場で出るものもたくさんあると思うんですけど、それに集中してしまうと課題が終わらないとか、テストもあるとか。だから、“この時間は勉強しよう!”みたいに決めて両立するようにしていました。授業を休んでしまったときは友達がノートを送ってくれたりとか、本当にいろんな方に支えられています。
――今だから言える大変だったことはありますか?
テストがあった日に収録があるとかは(大変でした)。テストも何日かに分かれるんですけど、前日からテスト勉強もしなきゃいけないし、台本もチェックしなきゃいけないし。台本も1週間前にいただけるときもあれば、直前にいただくときもあるので、そこをどう自分で折り合いをつけるか、中途半端にしないようにしたいと思いつつ、そこはすごく難しかったです。
――今後、どのような声優になりたいですか?
“いろんな表現ができる声優になりたいな”と思っていますし、“藤寺美徳はこんな表現ができるんだよ”っていうのを日々更新していけるようになりたいなと思っています。『花は咲く、修羅の如く』みたいな等身大の自然体なお芝居もすごく好きで突き詰めていきたいと思うものでもあるんですけど、逆にTheアニメみたいな、コテコテした感じもすごく好きなので、これも表現できるようにしていきたいです。求められることを100%、120%で返していけるように、日々引き出しを増やしていきたいなと思っています。
【藤寺美徳 プロフィル】
千葉県出身。2006年12月18日生まれの高校3年生。プリティーシリーズ10周年プロジェクト『NEXT声優アーティストオーディション』にて応募総数約1500人の中からグランプリに選ばれ、声優デビュー。特技はジャズダンス。
【お話を聞いて一答遼談!(編集後記)】
『花咲く、修羅の如く』は、現役高校生の藤寺さんが高校生役を等身大で演じているからこそ、キャラクターの成長や感情の機微がリアルに表現されているのだと思います。落ち着いた口調で、自分の言葉で話すことのできるしっかり者の藤寺さんですが、テストや課題の話になるとどこか高校生らしさがあり、そんなところも彼女の等身大の魅力なのだと感じるインタビューでした。
企画・取材:日本テレビ 伊藤遼