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浦和希 声優アワードで主演声優賞 「色々なことにチャレンジして、後輩の道筋の一つになれたら」

2024年9月20日 23:03
浦和希 声優アワードで主演声優賞 「色々なことにチャレンジして、後輩の道筋の一つになれたら」
声優・浦和希さん
アニメ『ブルーロック』の潔世一、『カミエラビ GOD.app』小野護郎などの声で知られる声優の浦和希さん。第十八回声優アワードで主演声優賞を受賞した、今注目されている声優の一人です。そんな浦さんに出演中のアニメ『多数欠』の魅力と、声優という職業への思いを“アニメ・声優オタク”の私、伊藤遼が聞いてきました。

■『多数欠』を見て「日常生活にフィードバックできるような感情を手に入れてくれたら」

浦さんが出演するアニメ『多数欠』。多数派が失われる過酷な生き残りゲームに立ち向かう少年少女たちの物語です。浦さんは主人公・成田実篤の親友の一之瀬龍太を演じています。

――『多数欠』のどういったところに注目して見てほしいですか?

重苦しい雰囲気の中で生まれる人間関係のドラマ、誰が生き残って、誰かのために自分の命をかけて戦う、その極限状況の中の感情の機微みたいなものがすごく繊細で、そういうところから、日常生活にフィードバックできるような感情を手に入れてくれたらうれしいです。

――浦さんが演じる一之瀬龍太はどんなキャラクターですか?また、演じる時はどのようなことを意識していますか?

人の弱さも知っているし、だからこそ自分の弱さを抱えきれない人に対しても寄り添うことができる。(主人公の)実篤がケアできない部分も実は龍太がケアしているんじゃないかというくらい父性、母性にあふれる優しいキャラクターです。でもバカをする時は、高校生らしく無邪気な笑顔で色々なことをしてくれたり、振れ幅が作品の中で一番くらいに大きいんじゃないかなと思いながら演じている役ですね。演じる上では、ふざけるところは全力でふざけて、かっこいいシーンは決めるというか、龍太は普段はチャランポランだし、適当なこと言っているけど「ちゃんとみんなのことを考えているんだよ」、「強い人なんだよ」というところを見せられるように、かっこよさをメリハリつけて出せるように気をつけてます。

――新シーズンに入りますが、見どころを教えてください。

新シーズンからは雰囲気がガラッと変わって、出てくる人たちも変わりますし、関係性も少し変わっていたりとかして。新しい息吹というか。これまでは主人公の実篤が頑張ってくれていたんですが、新シーズンからは新しいキャラクターが出てきたり、違う物語が始まっているかのようになっています。同じ『多数欠』でも角度を変えればこんなところがあるんだというシーンがすごく多いです。

収録中もキャストに若い人がとても多いんですね。その年代にしか出せない温度感や、細かいニュアンスがすごくすてきだなと思ったので、そういうところも新シーズンで感じてもらえたらうれしいですね。

■第十八回声優アワードで主演声優賞「胸張ってとりましたといえるような役者に」

――声優アワードで主演声優賞を受賞してから日がたちましたが、改めてどう受け止めていますか?

正直今でも怖いなと思っています。新人賞から積み重ねて主演声優賞というイメージだったので、自分も新人の部類なんですけど、そんな中でありがたいことに主演声優賞をいただいたという重みはすごくて、正直最初は断りたいと思ったりもしました。ただ選ばれた理由を考えると、作品にもらっていると思っています。自分がすごいから認められたのではなくて、作品を一緒に作っていった結果、一つの形として認めてもらったんだなと思って、(受賞について)自分を納得させている感じです。

(今後は)調子に乗らず、受賞したからといってお芝居の力が500上がったというわけではないので、自分もまだまだなので、ここから少しずつ積み重ねていって、先輩たちと肩を並べられるような、胸張って「主演声優賞とりました」と言えるような役者になりたいなと思います。

――今の声優人気の現状についてどう思いますか?

すごくありがたいですね。先輩方に感謝だなと思います。自分がこうやって声優として活動できるのも、先輩たちが苦しい時代を生き抜いて、声優としての地盤、地位を確立してくださったおかげなので、これを絶対に後輩たちに回していかないといけないことだなと思います。自分は色々なことにチャレンジして、後輩の道筋の一つになれたらいいなと思っています。

【浦和希 プロフィル】
大阪府出身。10月18日生まれ。『ブルーロック』の潔世一や『カミエラビ GOD.app』小野護郎などの声で知られる。趣味はサッカーやトロンボーンで特技はゲーム。CGエンジニア検定エキスパートと第三級陸上特殊無線技士の資格を持つ。第十八回声優アワードで主演声優賞を受賞。

【一答遼談(取材後記)】
主演声優賞を断る考えもあったという浦さん。声優という職業に人生をかけて向き合い、先輩たちをリスペクトし、後輩へも目を向ける浦さんだからこその言葉だと感じます。アニメやキャラクターについて楽しそうに話す浦さんは、心からアニメを、そして声優という職業を愛しているのだと思います。慢心せず見えないゴールに突き進む浦さんの活躍を、応援したくなるインタビューでした。

企画・取材:日本テレビ 伊藤遼