高杉真宙が語る 舞台の魅力は「何ができるか浮き彫りになる場所」
今年はシェークスピアの代表作『ロミオとジュリエット』(9月13日から上演)の舞台でロミオ役に挑戦。稽古中の高杉さんに舞台の魅力についてインタビューしました。
■どうしても、やりたかった『ロミオとジュリエット』
――現在『ロミオとジュリエット』の稽古中ということですが、稽古をしてみて何か感じたことはありますか?
まっすぐ向き合うことが大事なんだなって思いますね。台本に書いてあるもの、感情っていうのを忠実に。何かに頼ろうとするんじゃなくて、自分の思ったことだったりとか言葉だったりとか行動で示していくことが必要だなって思っています。
「言葉を信じる」っていうことを、演出の井上尊晶さんには言っていただいていて。「文学に負けない、言葉を信じる」っていうのを、その言葉通り受け取って、いま日々稽古をしている気がします。
――難しさを感じる部分はありますか?
全体的に詩的なセリフが多いので。長いですし、それがうまく聞かせられるように感情が伝わるようにしゃべるっていうのが大変ですね。やっぱりセリフとしてじゃなくて、言葉として、ちゃんと意味も含めて伝えていくっていうのが重要なんだろうなとは思っているんですけど。
――高杉さんにとって『ロミオとジュリエット』はどうしてもやりたかった作品のひとつだと聞きました。どこに魅力を感じたのでしょうか?
(デビューして)最初の仕事も舞台でしたし、だからシェークスピアの作品に出るということに対して、憧れがすごくあって。その中でも誰しもが知っている『ロミオとジュリエット』はいつかやってみたいなって。
(作品で描かれている)愛についてと死については、誰にとっても共感する部分というところが魅力なのかなと思いますね。
――高杉さんは漫画やゲームがお好きですが、『ロミオとジュリエット』に挑む中で読んでいる漫画はありますか?
本当に何も考えなくていい、笑える漫画が読みたくなります。濃い作品を頭に詰め込みたくないんだと思いますけどね。何かそういう単純な面白いやつっていうのを読みたくなりますね。スポーツ漫画とかもいいですよね。スポーツ漫画も大好きなんで、そういう漫画ばっかり読んでいますね。
■舞台は「自分が何ができるか浮き彫りになる場所」
――デビュー以来毎年舞台のお仕事をされています。
はい、ありがたいことに。
――高杉さんにとって舞台の仕事とはどういう存在ですか?
自分の今の立ち位置が明確に分かるって感じですかね。舞台は特に、できることしかできないなっていつも思うので。もちろんその稽古の中で、できないことができるようになっていったりもするんですけど。でも、できないものができるようになった後は、できるものができるだけになるというか…
映像とかだったら(カメラを)寄ってもらったりとか、カット割りでテンポが変わったりっていう、自分だけの力じゃ変わらない部分というのは結構あるとは思うんですけど。
舞台は、自分がいて相手がいてお客さんがいて、本番が始まったらその三角形で、ずっと自分のできないことはできないし、できることをできて、協力体制でやっていくっていうのが舞台だと思っていて。だから僕にとっては自分が何ができるかがすごく分かりやすく浮き彫りになる場所だなと思ってますね。
■観客として舞台を見る時は“挑戦する気持ちで”
――高杉さん自身もお客さんとして舞台をご覧になるそうですね。
見ますよ、そんなに多くはないですけど。見るのも好きですね。そういうときは何も情報を入れずにいつも行きますね。何もない状態で行くからこそ、挑戦する気持ちで行くんですよ。
全部集中しないと、見逃したりとか聴き逃したりとか何か少しでも掛け違いがあったら分からなくなる瞬間はたくさんあると思うんですよね。
だからそれをすくい取っていくのが僕は好きで、そうやって観劇しますね。見る人たちとか受け取る人たちにもマナーやルールがあると思うので、何か協力して作っていくっていうのが最近は重要だなってすごく感じています。
だから、そうしてもらえるようにやる側もちゃんとしていかなきゃいけないんだなとは思っていて。難しいですけどね。