『宇宙キャスター』の肩書も フリーアナ・榎本麗美 自身の経験から“子どもたちが宇宙を学べる場所を”
■宇宙キャスターとは?「宇宙と人との架け橋みたいな存在」
――宇宙キャスターとはなんですか?
榎本さん:宇宙って、考えただけでも結構難しい言葉がいっぱいあると思うんですけど、その難しい言葉を分かりやすく伝えるっていう。宇宙と人との架け橋みたいな存在かなと自分では思っています。
幼少期に宇宙に興味を持ったという榎本さん。しかし、宇宙について学べる場が少なく、本や図鑑を読みあさったそうです。宇宙を好きな気持ちを共有できる友人もいなかったため、孤独だったといいます。
榎本さん:すごく孤独で悩んだ時もあったんですね。“宇宙人”ってあだ名がついたりとか、すごい変わり者扱いというか、変わり者としてずっと生きてきたところがありました。
■著書を出版「宇宙飛行士の教科書のようなものを作りたい」
宇宙について学んでいくうちに、アナウンサーになって宇宙について伝えることを目指した榎本さん。実際にアナウンサーになり、2019年頃から宇宙キャスターとしての活動を始め、『宇宙キャスター』を商標登録しました。
――なぜ子どもたちに教えようと思ったのですか?
榎本さん:今の子どもたちも宇宙が好きって言って、すごくお友達ができるかっていうとそうではないそうなんです。そういう子どもたちが宇宙を楽しめる場所。また、最先端の宇宙のことが学べる場所を作れたらいいなと思って、『日本宇宙少年団 東京日本橋分団』という子どもたちが宇宙を学べる場所を創設しました。
子どもたちが宇宙を学べる場所作りだけでなく、著書『めざせ!未来の宇宙飛行士』を出版しました。
――書こうと思ったきっかけは?
榎本さん:書こうと思った大きなきっかけが、2021年の宇宙飛行士候補者選抜試験の募集の時にJAXAが「これから宇宙飛行士を5年に1回のタイミングで募集する予定です」って発表したんですね。これまで宇宙飛行士の募集っていつ行われるのかわからないような状況だったんですけど、宇宙飛行士を自分で目標にして頑張って計画的に目指せるようになったなら、今ここで子どもたちが宇宙飛行士を目指せる宇宙飛行士の教科書のようなものを作りたいと思いました。
『宇宙飛行士候補者選抜試験』を受ける人たちのために講座を開いた際、日々の課題に取り組む生徒からの気づきがあったそうです。
榎本さん:「宇宙飛行士を目指すぞ」って思ったら、それを1個ずつ丁寧にちゃんとやり遂げることがマルチタスクの能力を向上させるための訓練なんだって思うと、毎日が楽しくなってすごく日々が輝きだしたっていう声があったんです。それを聞いた時に、宇宙飛行士を目指すって例え宇宙飛行士になれなかったとしても自分たちの成長につながるし、子どもだったらものすごい大きな成長をとげるんだろうなって思いました。
■宇宙キャスターの活動に対する夢や目標
――宇宙に行きたいと思いますか?
榎本さん:自分も行きたいです。火星に行きたいなっていうのはずっと思い続けています。でも、自分が行くよりも今教えている子供たちが、例えば宇宙飛行士になって「宇宙に行ってきます」っていう記者会見を開いた時に、私はその姿を見るのが何よりも楽しみで。考えただけで泣けちゃうかもしれないぐらい、すごいそれを今楽しみにやってます。
――今後の目標はなんですか?
榎本さん:再び人類が月に降り立つのが2027年に今予定されているんです。その後2030年には火星に人が送り込まれるという予定もあります。そして、2040年に月に1000人が住む。そうやって15年間でものすごい勢いで宇宙業界が発展していくから、これから私は子供たちに宇宙を教える宇宙教育に力を入れていきたいなって思っています。
――榎本さんにとって“宇宙”とは?
榎本さん:“人生そのもの”です。ずっとおばあちゃんになるまで、私は“宇宙ばあちゃん”として次世代の子たちを育てていくんだろうなって思いますし、ずっと関わっていたいなって思います。