たけし軍団 結成から40年 師匠・ビートたけしとの、つらくも楽しかった過酷な仕事を振り返る
■約30年ぶり、たけし軍団での客前イベント
――たけし軍団として客前でのイベントはいつぶりになりますか?
つまみ枝豆(以下、『枝豆』):客前イベントで?
グレート義太夫(以下、『義太夫』):下手すると昔のコンサートとか
枝豆:30年くらい前って感じ?
ガダルカナル・タカ(以下、『タカ』):でも20年近くはたつんじゃない?
ラッシャー板前(以下、『ラッシャー』):でも“フライデー事件”があって…
タカ:いや、あれイベントじゃねえから。
枝豆:とにかく久しぶり、覚えてないくらい昔のことなので。イベント的なこととか、舞台はもう皆無に等しいですね。
■つらかった仕事=“たけし軍団の仕事”
――これまでに、たけし軍団の皆さんの“つらかった仕事”や“しんどかった仕事”はなんですか?
義太夫:それ言い出したら3日間くらいかかるよ(笑)
枝豆:つらかった仕事が、軍団の仕事だと思ってましたからね。熱いとか痛いとか怖いとか。
タカ:ただ何だろう、やってる時と、やり終わった時にはそれが楽しいって思っちゃうから頭悪いんでしょうね。それの繰り返しなんですよ。
ダンカン:結局我々の時代っていうのはウケれば全てOK。下手すると、骨一本折ってても『ウケた? あー良かった。痛ぇー』っていう、痛いが後に来る時代だったのでね。
義太夫:有名な格言があってね。“骨は折っても血は出すな”って。血を出すとみんなカットになっちゃうから。
枝豆:血が出てるやつがいると、『隠せ隠せ!』って。カットになるから隠せって。
ダンカン:それがやらされてたんじゃなくて、好きだったんですね。
タカ:それが問題だったのよ。好きでやっちゃってたから。
■今の若手にはない経験も 「ブリーフ一丁でダイヤモンドダストを見た」
ビートたけしさん(76)が、1980年代から90年代にかけ、日曜日のお昼に司会を務めたバラエティー番組『スーパーJOCKEY』。その番組で、たけし軍団が“熱湯コマーシャル”など体を張った過酷な企画にチャレンジし、たけし軍団はお茶の間の人気者となりました。そんな中、たけしさんとの印象的な仕事を聞くと、“人間鵜(う)飼い”が思い出に残っているといいます。
――印象に残っている楽しかった仕事はありますか?
枝豆:(楽しかった仕事は)イコールで“しんどかったこと”でしょうね。通り過ぎるからめちゃくちゃ楽しかったねって。“人間鵜飼い”とか。
ラッシャー:『スーパーJOCKEY』って番組でね、ガンバルマンのコーナーとか。きついなと思うけど楽しかったですね。
ダンカン:例を挙げた“人間鵜飼い”っていうのは、(かぶり物をして)鳥になって、たけしさんが船の上からみんなにヒモをつけて、みんなは水の中に入って。(かぶり物は)ウレタンで作ってるから水がどんどん入っていって呼吸が出来ないんですよね。(たけしさんが)それを棒でつついて水中にっていう。
ラッシャー:真冬は雪山に行って、雪の中でパンツ一丁になって、殿が鵜飼いで。
タカ:ただ、今の若い人で、ブリーフ一丁でダイヤモンドダストを見た人ってそういないでしょ。あれもほぼマイナス10度超えないと結晶化しないからね。我々何回か見てるからね。
ラッシャー:気合い入ってるし、(雪山で裸でも)風邪引かないんですよ。
枝豆:なおかつ、殿に『お前らの代わりはいくらでもいるぞ』って言われてるから、病気とかなっちゃいけないと思って(笑)
■師匠・ビートたけしさんとの思い出
――師匠・たけしさんとの思い出で印象に残っていることはありますか?
タカ:俺、プライベートでゴルフは一番連れて行ってもらってたと思うよ。ラッシャーとかは行っても、(たけしさんが)『こんな所で刻むのか、お前は二度と連れてこない』って。
ラッシャー:ダンカンさんは、ショップでいろんな物を買いすぎなんですよ。“北野武”ってサインしてゴルフバッグ買ってましたよ。
ダンカン:ゴルフ場っていうのはいいですよー、サイン書くといろんな物が買えるんですよ。
枝豆:最初の頃は、ボール買うくらいだったんだよね。かわいげあって、手袋買うとかね。
タカ::システムを知らないから、クレジットカードのナンバーを書けば、何でも買えると思っちゃって『いいねぇ、ゴルフ場』って。
――柳憂怜さん、たけしさんとの思い出は?
柳憂怜:いや僕はほとんど口きいてもらったことないんで。たぶん総時間にして、2時間くらいしかないんじゃないかな。思い出と言えば、映画ですかね。
ダンカン:本当に、たけしさんと柳が話してるのって見たことないよね。だから不思議なのが、映画で使うのに(たけしさんは)『ユーレイくん』って“くん”付けだった。
義太夫:(映画の)監督としては話は当然してるんでしょ?
柳憂怜:でもほとんど何にも言われてないですね。
タカ:俺は映画の時に、 “監督、このシーンどういう演技すればいいですか”って聞いたら、『バカ、お前に演技なんか求めてねえよ。お前らなんかな、犬と一緒なんだから、しつけられたことだけやればいいんだよ』って。
松尾伴内:僕は演技以前で、『お前の顔気持ち悪いな、お前絶対出さねえぞ』って。
枝豆:俺だって、『座頭市』で居酒屋のシーンがあって、『はいカット、枝豆映っちゃってる』って言われた。映りに来たのに映っちゃってるって言われたんだよ(笑)。それも含めて楽しい思い出ですよね。