市川團子 「本当に光栄に思っております」 祖父・猿翁が初演した作品が通算上演回数1000回を記録
本作は1986年、日本神話の英雄・日本武尊の伝説をもとに三代目市川猿之助(二世猿翁)のために書き下ろされた作品。“歌舞伎でありながら歌舞伎を超えるもの”という猿翁さんの強い信念が結実した本作の誕生で、その後9作にわたり発展していく“スーパー歌舞伎”の原点であり、歌舞伎界のみならず演劇界にも大きな影響を与えました。
そして『ヤマトタケル』が、3月10日の昼の部で、通算上演回数1000回を達成。 これまで様々な俳優が演じてきたヤマトタケル役を二世猿翁さんの孫である團子さんが勤め、38年の歴史に新たな1ページを刻みました。
終演後、カーテンコールで團子さんは「本日はご観劇くださり、ありがとうございました。この作品は私が初舞台の時に出演させていただいた作品で、本当に大好きな作品です。1000回という大きな節目の公演に出演させていただけますこと本当に光栄に思っております。ありがとうございます。祖父が作った『ヤマトタケル』という作品がこれからも皆様に愛されて、1500 回、2000回、3000回と上演されますよう心より願っております。また、私も精進を重ねてまいります」と語りました。
また、中車さんは「昭和61年、1986年2月4日、当新橋演舞場にて幕を開けました『ヤマトタケル』は、ご覧いただきましたる通り、本日この昼の部の公演をもちまして、通算上演回数が1000回となりました。お支えくださいましたご見物いずれも様のご余光の賜物と重ね重ね御礼申し上げます。本当にありがとうございます。38年前に、父猿翁のために哲学者梅原猛先生が書き下ろされたこの『ヤマトタケル』。当時は、初演の頃、まさかこの日を迎え、1000回も上演を重ねるとは両人とも思ってもいなかったと思います。きっと泉下の両人ともとても喜び、今この瞬間を天翔ける天より見守ってくれていると存じます」と話しました。