なぜ言葉の使用を禁止したのか 店内ではジェスチャーで会話する喫茶店を取材
店舗を訪れると、入り口には「ここから言葉NG」と大きく掲げられています。その手前までは言葉を使うことができるので、その場でメニューを確認して代金を支払いますが、注文は言葉の使用が禁止されている店内に入ってからです。店内には「これ!」と指をさして注文ができないように、メニューはありません。支払時に対応した店員とは別の店員にジェスチャーのみで注文します。
記者はアイスティーを注文しようとしましたが、アイスティーのジェスチャーを考えたことも使ったこともないので、どう表現すればいいのか検討もつきません。スタッフ2人がかりでジェスチャーを読み取ろうとしてくれ、ティーポットやティーバッグのジェスチャーを用いてなんとか注文することができたのは、席に着いてから約5分後でした。
■なぜ言葉の使用を禁止したのか? コンセプトに込めた思い
取材したこの日も、手話を言語としているろう者の方や、海外からの観光客の姿も見られました。「本当に本当にクールだった」と話すカナダ・トロントから来た観光客は「トロントにはこんなものはない、本当に面白いコンセプトだね。私は英語は話せるけど日本語は話せない。でも(言語に関わらず)みんなが同じようにボディーランゲージを使うのがクールだった」と語りました。
明円さんは「このカフェの体験を通じて、(言語に関わらず)伝えることの楽しさだったり、難しさだったりとかそういったところが伝わるといいなと思います」と語りました。『言葉のない喫茶店』は、5日まで開催される予定です。