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吉田栄作 来年俳優デビュー35周年 “白Tジーンズ”は憧れの俳優を「マネしただけ」

2022年12月2日 22:40
吉田栄作 来年俳優デビュー35周年 “白Tジーンズ”は憧れの俳優を「マネしただけ」
ミュージカル『クリスマス・キャロル』の主演・吉田栄作さん
現在、主演ミュージカル『クリスマス・キャロル』で、全国22か所を巡るツアーを開催中の吉田栄作さん(53)にインタビュー。これまで俳優、歌手として活躍し、ファッションでも時代を作ってきた吉田さん。2023年に俳優デビュー35周年を迎える心境、さらにこれまでの芸能生活を振り返っていただきました。

■「当時は、ヒットが欲しかった」

1988年、19歳の時に映画『ガラスの中の少女』でスクリーンデビューした吉田さん。90年代にはトレンディードラマに数多く出演するほか、歌手としても活躍し、一躍注目されました。

――来年、俳優デビュー35周年を迎えますが、これまでを振り返ってどんな心境ですか?

あっという間でした。でも振り返ってみると、やっぱりそれなりにいろいろなことがあった35年でしたし、映画でデビューした19歳の時に、今の自分はまず想像できなかったと思いますよね。だから本当に感慨深いという一言に尽きます。一歩一歩あっての35年だなということは、つくづく感じますね。

――これまでで、一番印象に残っている作品はありますか?

“これがヒットしたから、今の自分がいるんだろうな”っていうものでいうと、僕が22歳の時のドラマだった『もう誰も愛さない』という作品だったり、3曲目のシングルで歌わせていただいた『心の旅』だったり。そういうヒット作があったから、若い時の吉田栄作という人間、パフォーマーが認知されて、今日があるんだなと思います。自分が好きだった作品とか、自分の思いが入った作品とか、そういうものを挙げたら数限りないですね。

――出演ドラマや楽曲がヒットした当時、どんな心境でしたか?

やっぱり当時は、ヒットが欲しかったですから「やった!」って思いましたよね。『心の旅』で紅白歌合戦に出させていただいたり、別の曲で、レコード大賞に出させていただいたり…。そういうヒット曲が生まれる度に「よし!」と思いましたし、ドラマで、高視聴率を取れば、同じように「やった!」と思いましたよ。

■トレードマーク “白T&ジーンズ”の誕生秘話

90年代には、吉田さんが定番ファッションとしていた『白いTシャツ』と『ジーンズ』の組み合わせが人気となり、若い世代がマネするファッションスタイルとなりました。また、センター分けにした髪形も『吉田栄作カット』というネーミングで話題に。このスタイルが、吉田さんのトレードマークともなりました。

――吉田さんは、ファッションスタイルでも時代を作られましたよね?

これは本当にたまたまで。当時「ジャケットぐらい着てテレビ出たら?」とか、スタッフにも言われていたんですけれど、「嫌だ。このまま出る」って言って白Tとジーンズで現場に行って、白Tとデニムに着替えて出て行ってましたからね。「何が違うの?」って周りは言うんですけど、自分が見た時のシルエットが微妙に違うとか、同じリーバイスの501というジーンズでしたけれども、いわゆる普段着る用と、ドラマや映画で着る用、撮影の時に着る用と。あと、ライブの時で着る用みたいに分けていましたね。

――そのこだわりはどのような思いからだったのでしょうか?

好きだったんですよ。きらびやかな衣装をどうしても自分は着たくなかった。やっぱり自分が好きなものを着て、それで勝負したかったというのがあったと思います。センター分けの髪形もたまたまそうですね。高校3年生ぐらいだったかな。それでそのまま高校を卒業して、出身は神奈川ですけど、東京に来てアルバイトをして、オーディションに受かってデビューしたっていう、もう本当にそのまま出ちゃった感じですね。

――そういったファッションスタイルは、最近の若い世代にも指示されていますが、今の若い世代のファッションスタイルはどのように感じられていますか?

ファッションのはやりというのはやっぱりまわりますから。今、『栄作スタイル』とか『栄作コーデ』っていう言葉をちょっと聞きますけれども、いわゆるアイコンになっているんだっていうことは、うれしいちゃあうれしいですよね。でも、僕はアメリカの俳優、ジェームズ・ディーンとか、ちょっと斜に構えた、ほこりっぽい男感が好きで、僕は僕でマネしただけなんですけどね。“こび売らないぜ”みたいなライフスタイルというか、生き様みたいなものも、着ることでスイッチが入るみたいなところが、僕の中にはあったんだと思います。

■主演は、いろいろなものを背負う

吉田さん主演ミュージカル『クリスマス・キャロル』(12月25日まで全国の劇場で順次公演)は、世界中で愛されるクリスマス小説をもとにした物語。クリスマスイブを舞台に、嫌われ者の主人公が、人とのつながりによって愛の大切さを知っていきます。今回、早見優さんとは、30年ぶりに再共演しました。

――今回主演となりますが、心境はいかがですか?

もちろん舞台上でのパフォーマンスもそうですけれども、やはりお客さんも動員もそうですし、いろいろなものを背負うのが主演だと思うんです。でもやはり支えてくれるカンパニー(出演者・スタッフ)の皆さん一人一人が、誰一人欠けても成立しないんですよね。だから1つの車ができあがっているみたいな。ハンドルがなきゃ走らないし、タイヤ1つなくなったって走らないし。カンパニーというのは、スタッフもキャストも全員で1台の車なんだなと思います。

――早見さんとは久しぶりの共演ということですが、どんなお話されましたか?

共演者の皆さんの健康が心配で「ちゃんと飯食っている?」というようなことをすごく話していて、いいおつまみをお教えしたんです。そうしたら早見さんから「他にこういうのありませんか?」と聞かれるので、「こういうのもありますよ。こういうのもあります」って。最近は、1周どころか2周、3周回って共演・再開させていただく方々がいますけれども、早見さんとは本当に30年ぶりで、お変わりなくおキレイで。今回も新たなものにチャレンジなさっているし、やっぱりその方というのは素晴らしいなと思いますね。

――見どころを教えてください。

『クリスマス・キャロル』というお話が、どうして世界中で長きにわたって、広い世代の人たちに愛され続けているのかというのを、子どもの頃以来、どっぷり向かい合ったことによって、本当に分かった気がします。いわゆる皆さんが知っているクリスマス・キャロルとはちょっと違う、今回オリジナルの設定なんかもあったりするので、見に来ていただければと思います。

■結婚発表から1年 心境の変化は…

吉田さんは2021年11月に、自身のSNSで俳優・内山理名さんと結婚したことを発表。その約1年後には、2人で撮影したウエディングフォトも投稿され、話題となりました。

――ご結婚されて1年がたちましたが、心境の変化はありましたか?

例えば今日も仕事をしている時に、家を守っていてくれるとか、家に帰ったらなるべく栄養がつくものを…とか、すごく気にしてもらっているので、それはものすごい感謝ですね。僕も50歳を過ぎましたから、やはりそういうことが、いかに自分のこれからにも大切なことかと、すごく感じています。