元宝塚トップ・真飛聖「誰かの心の灯火に」連日の募金活動 11年前の震災と退団公演を振り返る

■ランチショーのさなかに起きた地震
(安藤アナ):11年前、2011年3月11日はランチショーのさなかでした。
「退団公演を宝塚大劇場で無事に終えて、本拠地は卒業しました。(東京公演が始まる前の)間のランチショーだったんですが、(地震が発生した直後の)その時はあんなことになると思わなかったから、いったん中断という形。その後、これは再開できないという判断をして途中で終わりになりました」
「私はすごくおしゃべり。(地震の前は)お客さんもいじっちゃったり、一緒に出てくれている子たちと、ワーワーやっていたりしたらショーが長引いてしまっていました。それで、みなさんから『ありがとう』と言われてびっくりしたんです。というのも、もし予定通り終わっていたら帰宅途中で地震に遭遇していろんなことに巻き込まれて大変だったかもしれない」
(中島アナ):電車が止まって帰宅困難になってしまっていたかもしれない中で、会場のホテルが泊めてくださるとか、そんなことがあったんですよね。
「ホテルの方が食事も用意してくださったり、毛布を用意してくださったり。とてもありがたかったです」
(中島アナ):その日に一緒にいらした元花組スターの瀬戸かずやさんに、当時のことをうかがいました。
瀬戸かずやさん:
「(真飛さんは)鋭くクールに見えて、めちゃくちゃ人思いで温かくて。もう全員をこれ以上、伸びない手で包み込んでくださる。(震災後の退団公演は)『大丈夫なのかな』という思いも本当に拭えなかったんですけど、でも今私たちができるベストをやろうとはすごく思いましたし、それを本当に凛として真ん中で私たちを引っ張ってくださっていたのは真飛さん。ご自身の退団公演で絶対に気持ちや体力は大変だっただろうに、そんな姿を一つも見せなかった。私たちにできることを、ということで募金活動をしようとなり、真飛さんは本当に全日程立たれて、ものすごい拍手でお客様が迎えてくださいました」
「(舞台では)お客様の『ありがとう』『待っていました』と、そういう言葉が聞こえてくるくらい大きな拍手をいただいた。『私たち公演をしていいんだ』と。舞台に立てることって当たり前じゃない、すべてがうまく回ることって本当に奇跡なんだなと、そのとき体感しました。(真飛さんは)ただただ尊敬。大きかったです」