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尾上松也 新たな役でジムから入会拒否されかける ドラマや舞台…多ジャンルで活躍した1年を振り返る

2022年12月28日 22:05
尾上松也 新たな役でジムから入会拒否されかける ドラマや舞台…多ジャンルで活躍した1年を振り返る
歌舞伎俳優・尾上松也さん
歌舞伎俳優の尾上松也さん(37)に、日本テレビ・市來玲奈アナウンサーがインタビュー。2022年、大河ドラマをはじめとした映像作品や、舞台への出演、さらにアニメ映画の声優、巨人戦の始球式への参加など、幅広いジャンルで活躍された松也さんに、1年を振り返っていただきました。

■37歳で金髪・タトゥーに… 拒否されかけたジムの入会

市來:今年は幅広く、いろんなジャンルで活躍されていますが、この1年間の多ジャンルでの活躍を振り返っていかがですか?

松也:今年は1月に歌舞伎座に出演させていただいて以来、これだけ歌舞伎から離れて、違うことをしていたってことは一度もないので不思議でしたね。その分、映像の経験をたくさん踏ませていただきました。役の幅も広がったし、人との出会いも広がったし、結果的には歌舞伎の舞台に戻った時にもきっといきるし、いかせると思ってやっていますので、すごくいい経験をさせてもらったなと思いますね。

市來:最も印象的だったお仕事をあげるとしたら何になりますか?

松也:ドラマの撮影で金髪にしました。めちゃくちゃ新鮮でしたね。まぁ仕事がない限り、私の年齢でいきなり金髪にするってことは、プライベートではないので楽しかったですね。その作品はタトゥーも入れていましたから、すごく新鮮でした。街を歩いていても、逆に気づかれないということもありましたね。

市來:ドラマの解禁前は隠さなきゃいけないですもんね。

松也:でも普段は隠しようがないですからね。もちろん本物のタトゥーじゃないので、落とすのもちょっと時間がかかって、面倒くさくて「そのまま帰っちゃいます」ってタトゥー入れたまま帰って。それを忘れて、あるジムに入会しようとしたら、一回、入会拒否されかけましてね。「あ、忘れてた…」と思って「大丈夫です、これ消えるんです」って言ったら、“何を言ってるんだ”って顔をされましたけどね(笑)

■尾上松也の2022年を表す漢字一文字

市來:そんな松也さんの2022年を漢字1文字で振り返るとしたら何でしょうか?

松也:難しいですね。一文字でしょう? …“新”ですかね。新たな出会いと、新たな役と、新たな挑戦をたくさんしましたので。今年は始球式も出させてもらいましたけど、経験したことのない楽しいことがたくさんありました。それこそこんなに歌舞伎に出ないというのも初めてですし、新しいことづくしでしたね。

■2023年は「舞台の年に」

松也さんは2023年1月から、『新春浅草歌舞伎』(浅草公会堂にて1月2日~)に出演します。この公演は、若手歌舞伎俳優の“登竜門”と言われ、これまでにも数々の歌舞伎俳優たちが出演してきました。コロナ禍により2021年から、浅草公会堂での上演は見送られていましたが、今回3年ぶりに開催されます。そんな『新春浅草歌舞伎』を皮切りに、どんな1年を過ごすのか伺いました。

市來:まずは1月に新春浅草歌舞伎の舞台が3年ぶりに上演されますが、お気持ちいかがですか?

松也:2020年に、「翌年は浅草歌舞伎ができない」というような報告を受けたときは、かなりショックでしたね。これまでつないできていた先輩方のためにも、僕らの代で浅草歌舞伎が終わりになってしまうことだけは避けたい、“次につなげよう”という思いでやっていましたから、3年ぶりっていうことは、うれしいのと同時に、また浅草歌舞伎の歴史が動き出したということが、ほっとしている部分もありますね。

市來:演目も発表されていますが、改めてご自身の役どころ、そして見どころを教えてください。

松也:『傾城反魂香』の“狩野雅楽之助”と、『連獅子』の“親獅子”の2役をさせていただきます。『連獅子』の“親獅子”は、演じるのが今回2回目。舞踊の中で子を思う情感という表現を追求していくというのは、非常にやりがいがあります。初めて親獅子をさせていただいた時は30代前半でしたが、来年は38歳になるので、積み重ねてできた経験が、いい形で出るとうれしいなと思っています。

市來:浅草歌舞伎は、若手が集まるというのも、みどころの一つになっていますが、メンバーのみなさんにもうお会いしてお話はされましたか?

松也:連絡を取り合って、演目の相談などをしながらずっと今までやってきました。そういう意味では、会わなくても、思いは一つというような感じでしたけども、久しぶりにこの前、浅草歌舞伎の記者会見で会った時はすごくうれしかったですね。

市來:メンバーの中でプライベートでも交流がある方はいらっしゃいますか?

松也:よく長電話をするのは坂東巳之助くんですね。くだらない話でも、たまに電話をしたり、かかってきたり…

市來:どんなお話をされるんですか?

松也:入り口は、お芝居の話。こうしたいとか、ああしたいとかから始まって、あとは世間話。巳之助くんは、お子さんがいらっしゃいますから、お子さんのお話ですとか、昔、共演した時の楽しい話とかを延々とすることは結構ありますね。

市來:だいたいどのくらい電話するんですか?

松也:えー…でも長い時はほんとに5~6時間話していたこともありました。

市來:え!? 5~6時間ですか?

松也:ええ。特にコロナ禍は暇でしたから。お手洗行って一旦切って、またかけてとか。コロナ禍は一緒に“面白い動画を作ろう”っていう試みもしたので、その打ち合わせも兼ねた電話が、いつの間にか世間話になっていることはありましたね。

市來:それだけ仲がいいということですね! そんな『浅草歌舞伎』で始まる2023年は、どのような1年にしていきたいですか?

松也:もともと舞台人ですから、来年はもう舞台を中心にして、舞台のお仕事の中で、新たな挑戦をしていける年にしたいなと思います。舞台というのは歌舞伎だけではなく、おととしの自主公演で、0から作品を作る喜びも知ることができました。なので、できる限りの中で、自分が思う、自分がやりたい作品を作るということもできたらいいなと思います。

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【尾上松也(おのえ・まつや)/屋号:音羽屋】
六代目尾上松助の長男で、1990年5月『伽羅先代萩』の鶴千代役で二代目尾上松也を名乗り初舞台。歌舞伎以外でも蜷川幸雄さん演出舞台や、ミュージカル『エリザベート』に出演し、活躍の場を広げる。

【市來玲奈の歌舞伎・花笑み】
「花笑み」は、花が咲く、蕾(つぼみ)がほころぶこと。また、花が咲いたような笑顔や微笑みを表す言葉です。歌舞伎の華やかな魅力にとりつかれた市來玲奈アナウンサーが、役者のインタビューや舞台裏の取材で迫るWEBオリジナル企画です。

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