【滝沢秀一2】小説家としての夢は芥川賞
サスペンス小説「かごめかごめ」(双葉社)を発売したお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一がこのほど、小説家としての目標を語った。
小説を刊行するきっかけは、滝沢が2013年にスマホ小説サイトに「鬼虐め」というタイトルの作品を投稿したこと。同作は閲覧数2万人を突破し、ホラーオカルトカテゴリーで最高位2位を記録するなど話題となり、「かごめかごめ」と改題して2014年に単行本として発売。今回の文庫化にあたり、さらに加筆修正した。
同作は、ストーカーをしていた女性のごみから出てきた自分あてのメッセージをきっかけに「追う者」から「追われる者」に変化するストーリーで、童謡「かごめかごめ」の詩に隠された歴史が紐解かれていくサスペンス。
アイデアは「ごみ清掃員」の仕事から見つけたそうで、滝沢は「僕がごみ清掃員を始めた8年前、ごみを回収していると『怖いな』と思うことが結構あったんですね。女性の方でも携帯の請求書みたいなのをそのまま捨てている。女性の名前があって、その当時は電話番号とかも書いてあったんですね。個人情報が漏れている。『これ、もしストーカーが盗ったらどうなるんだろう』って僕は思いました。そこから着想を得て書いたのがこの『かごめかごめ』という小説でございます」と語った。
そもそも小説を読むのも書くのも大好きだったそうで、「大学生のころ、エドガー・アラン・ポーという作家で卒業論文を書いた。ほかにも純文学が好きで、村上龍さんに衝撃を受けて『これはすごいな!』と思いました。村上龍さんが尊敬していたと言われている中上健次さんも読み出すようになりました」と滝沢。
「今でも年に1本、2本くらいは純文学の公募に、一般人として出しております」と明かし、「できれば芥川賞がほしいです。それを目指して頑張っています」と小説家としての夢を語った。
小説「陰日向に咲く」(2006年刊行)の著者で同じ事務所所属の劇団ひとりを意識しているようで、滝沢は「一度(小説について)お話をしたことがあったんですけど、『オレ、100万部とか売ってるけどな』みたいな感じでですね、あんだけ売れている方でも僕にマウントをとってきたということがありました」と冗談交じりに告白。続けて「尊敬しているんで、一日でも早く追いつきたいなという気持ちがあります」と話した。【3に続く】