×

アタック No.1、花より男子… 60周年のまんが誌『マーガレット』を人気作品で振り返る

2023年5月24日 6:15
アタック No.1、花より男子… 60周年のまんが誌『マーガレット』を人気作品で振り返る
(C)週刊マーガレット 1968年16号/集英社
2023年に創刊60周年イヤーを迎えた、まんが誌『マーガレット』(集英社)。昭和から現在に至るまでを、各人気作品と共に振り返ります。

『マーガレット』は、1963年4月に集英社初の週刊少女まんが誌として誕生。同年12月に『別冊マーガレット』が誕生しました。1988年には、隔週刊にリニューアル。『アタック No.1』や『花より男子』、『メイちゃんの執事』など、現在に至るまで中高生を中心とした世代に向けて、愛と夢をテーマにした作品を届け続けてきました。

■スポーツまんがブームをけん引『アタック No.1』

『アタック No.1』は、浦野千賀子さんによる作品で、『週刊マーガレット』1968年1号~1970年50号で連載されました。ヒロイン・鮎原(あゆはら)こずえが、バレーボール部のキャプテンとなって部を全国優勝に導く姿、高校でのインターハイ、世界選手権に出場する様を描き、少女まんが誌の“スポーツまんが”ブームをけん引。ライバル・早川みどりとのキャプテン争いや、ボーイフレンドの死などの数々の苦難が描かれ、魔球を繰り広げる“スポ根もの”の代表作となりました。また、アニメ化され、バレーボールの流行の火付け役にもなりました。

■宝塚歌劇団によって舞台化 『ベルサイユのばら』

『ベルサイユのばら』は池田理代子さんによる作品で、『週刊マーガレット』1972年21号~1973年52号で連載されました。18世紀のフランス革命を舞台に、史実をもとにした歴史ロマン作品。登場人物たちが運命に翻弄(ほんろう)されながらも、自分の意志や愛を貫く姿が支持され、アニメや映画化の他、宝塚歌劇団によって舞台化もされました。『マーガレット』2014年13号~2018年5号に40年ぶりの続編『エピソード編』も掲載されました。

■リアルなテニスシーンを描いた『エースをねらえ!』

『エースをねらえ!』は、山本鈴美香さんによる作品で、『週刊マーガレット』1973年2・3合併号~1980年8号で連載。ヒロイン・岡ひろみが新任コーチ・宗方に見出され、厳しい特訓に耐えながら才能を開花されていく物語です。リアルなテニスシーンを描きながら、青春の葛藤や苦悩をとらえた同作は、多くの読者の共感を呼びました。また、アニメなどに加え、2005年に実写ドラマ化されました。

■誕生から30周年 様々なメディアで展開 『花より男子』

『マーガレット』1992年8号~2003年18号で連載された『花より男子』(著:神尾葉子さん)。出版社によると、コミックスの日本国内の累計発行部数は6100万部(2023年4月現在・電子版を含む)を突破しました。物語は、庶民の牧野つくしが、超お金持ちが集う名門校・英徳学園を牛耳るF4のリーダー・道明寺司とぶつかり合いながら、学園生活を送る青春ラブストーリー。持ち前の明るさと雑草魂で困難に自ら立ち向かうヒロイン像が読者の心をつかみ、テレビアニメ・映画・テレビドラマ・舞台と様々なメディアに展開されました。

■『メイちゃんの執事』 執事とお嬢様のもどかしい恋模様を描く

宮城理子さんの『メイちゃんの執事』は、2006年11号~2013年3・4合併号で連載。両親を交通事故で亡くした少女・メイの前に、執事・柴田理人(しばた りひと)が現れ、様々な苦難を乗り越えながら「世界一のお嬢様」を目指す物語です。執事とお嬢様のもどかしい禁断の恋模様や個性的なキャラクターの登場で好評を博しました。『マーガレット』2014年9号からは、続編『メイちゃんの執事 DX』の連載が開始されました。

■2人組ユニット・森下suuの初連載作品 『日々蝶々』

『マーガレット』2011年24号に読切作品として掲載された後、2012年6号~2015年13号で連載された『日々蝶々』。誰もが振り向く美少女であり、周囲から“高嶺の花”にちなみ「高嶺ちゃん」と呼ばれるヒロイン・柴石(しばぜき)すいれんと、硬派な空手部男子・川澄(かわすみ)のピュアな恋愛を描いた物語です。同作は、2人組ユニット・森下suuの初連載作品です。

■歳の差恋愛を描いた『椿町ロンリープラネット』

やまもり三香さんの『椿町ロンリープラネット』は、2015年12号~2019年8号で連載されました。父の借金を返済するため、無愛想な時代小説家の木曳野暁(きびきの あかつき)のもとで、住み込み家政婦となった女子高校生・大野ふみ。二人の歳の差恋愛を描いたラブストーリーです。完結後は、『マーガレット』2019年12号~18号で『椿町ロンリープラネット エピソード編 ~couples~』として番外編4編が隔月連載され、主人公の周囲のキャラクターの恋愛模様が描かれました。

■書店員が選ぶコミックにランクイン『ピンクとハバネロ』

2021年21号から連載されている『ピンクとハバネロ』(著:里中実華さん)。恋愛経験もコミュ力も皆無な高校生の宮尾麦が、ある日学年一のイケメン、黒瀬彗が騎士カフェでアルバイトをしていることを知り、無愛想な黒瀬と秘密を共有したことで始まる学園ラブコメディーです。『全国書店員が選んだおすすめコミック2023』で第6位に選出されました。