×

BiSH・アイナ「音楽が好きになった」

2021年3月5日 20:49
BiSH・アイナ「音楽が好きになった」

ジェニーハイやDISH//など、これまで数多くのアーティストとコラボし、天性のハスキーボイスで歌い手としても注目されるBiSHのアイナ・ジ・エンドさん。今回、自身初となるソロツアー、1st solo Tour『THE END』を完走したアイナさんに、ライブを終えての変化や今後の目標などを伺いました。

“アイナ・ジ・エンドのソロ活動の始まり”という意味が込められた今回のツアー。アイナさんが全曲の作詞・作曲を手がけた1stソロアルバム『THE END』の収録曲を中心にバンドメンバーやダンサーと共に愛知(2月19日・愛知芸術劇場)、大阪(2月25日・オリックス劇場)、東京(3月1日・東京国際フォーラム)の3都市でパフォーマンスを届けました。

Q:今回のツアーを振り返ってみて感想は?
「こんなに愛を知れるツアーだと思っていなかったので、びっくりしました。BiSHでもツアーは回ってきているんですけど、自分の作った曲でというのが初めてだったので、自分の熱量を注いできた曲に対して、同じぐらいの熱量を注いでくれるバンドメンバーがいたり、ダンサーがいたり、スタッフさんがいるっていうのが、本当に愛を感じました」

Q:この時期に音楽やパフォーマンスをファンに届けられることについては?
「躊躇(ちゅうちょ)しちゃうような時代になったじゃないですか。声出していいのかな?この人と距離を縮めたいけど、ソーシャルディスタンスとかあるなみたいな。私もそうなんですが、全部に躊躇しながら生きている。すごくそれがもやもやしていて、相手をいかに躊躇させないかって考えたときに自分が飛び込むしかないんだなって。自分がひるまず、このライブで飛び込んでみたら、躊躇せずライブに来てくれるのかなみたいな。いろいろな葛藤とかを考えてみて、今回挑んでみました」

Q:今、ファンに伝えたい思いは?
「今日もお客さんの顔を見た瞬間に怖い気持ちが減ったんですよね。私の方が救われているんですよ、ファンの方々に。絶対いなくならないで欲しいし、何が何でも生き抜いて欲しい。そうじゃないと、私も歌えないし、踊れないなって思います」

アイナさんはセントチヒロ・チッチさん、モモコグミカンパニーさん、ハシヤスメ・アツコさん、リンリンさん、アユニ・Dさんと、普段は“楽器を持たないパンクバンド”BiSHとして活動中。グループとしては横浜アリーナや幕張メッセでのワンマンライブや、ロックフェスなどにも出演してきました。

Q:BiSHとソロとの違いは?
「そんな変わんないよとか、死んでも言えないです。全然違います。6人は歌のバトンリレーみたいなところがあるんで、前の人がコケたら私は絶対に走るみたいな。私がコケても前の人は走ってくれるみたいな。信頼関係でライブが成り立っていて、一人だと全部一人で回すので、自分がコケたらコケっぱなしだったりして、メンバーの偉大さを知りました。BiSHのライブでリンリンが“やばい、やばい、やばい”って、てんやわんやになっているときに、“大丈夫だよ。リンリン”って言っていた自分は、自分が自分に“大丈夫だ”って言い聞かせていたんだと気付いたり。いろいろ本当にメンバーに救われていることを実感しました」

Q:BiSHのメンバーからライブの感想はありましたか?
「さっき会って、モモカンは“お疲れ〜”って言っていました。アユニも“楽しかった。バイバーイ”って。BiSHは緊張しなくていい居場所なんで。私が私らしくいられるところというか、巣ですね。私の巣です」

Q:ソロツアーを経験して、変化などはありましたか?
「音楽を好きになりました。好きじゃなかったかって聞かれると、好きだったんだと思うんですけど、このツアーで音楽が本当に生きがいで、なかったら多分無理な存在だって気付きましたんで、これからも精進したいです、音楽で」

Q:ソロとしての今後の目標は?
「ソロの目標が今までなくて、全然ソロで売れたいとか思ってなくて。でも、このツアーをやって本当に一人じゃ何も出来ないけど、みんながいたら出来るとわかって、みんながいたらきっと音楽、私にもできる。やれるんだったらみんなと行きたいところまで行きたいと思いました。行けるところまで行くんじゃなくて、行きたいところまで行きたい。行きたいところはまずソロでは武道館です」

Q:BiSHとしての今後の目標は?
「メンバー1人1人のことを尊重していきたいなって思いました。ちょっと外に出て一人でやっていくと、今まで日常で触れ合っていたメンバーのことが、めちゃめちゃ個性的で面白いと思ったんですよね。麻痺ってたけど、この人たちやばいなってことを客観的に感じられて、そんな人たちといられるのは最高だなって。誰がなんと言おうがBiSHは最高なんだって気付いて、シンプルにその気持ちを振り付けとかでみんなと共有できていったらいいなと思います」