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“ヒロアカ”完結 作者・堀越耕平が過去の取材で語った“身近なヒーロー”の存在

2024年8月5日 22:47
“ヒロアカ”完結 作者・堀越耕平が過去の取材で語った“身近なヒーロー”の存在
『news zero』の取材を受ける『僕のヒーローアカデミア』作者・堀越耕平さん
人気漫画『僕のヒーローアカデミア』が、5日発売の『週刊少年ジャンプ』2024年36・37合併特大号で完結。SNSでは読者だけでなく、アニメの声優や著名人からも感謝の声があがっています。最終話の発売を迎える前に報道番組『news zero』が取材した作者・堀越耕平さんのインタビューを振り返ります。

連載終了を前にした心境について「意外とさみしい。(例えば)このキャラあと10何コマしか描けないんだって思ったり、やっとゴールできますねって思いながらっていうのもあるんですけれど」と語った堀越さん。

そもそも“ヒロアカ”を描こうと思ったきっかけは何なのか、聞いてみると「どうだったかな。忘れちゃったな。もう10年も前ですからね」とこぼしつつ、「すごくナルシシズムみたいになっちゃうんですけど、(昔)2回打ち切りになって、もう漫画いいやと思っていて、それで当時の編集担当さんが“諦めないで”、“頑張って”って言ってくれたので、“じゃあ最後にちょっともう1回挑戦しよう”っていうことで、とりあえず自分の好きなものいっぱい入れて、自分の描きやすいものだけで構成して描いてみようって」と振り返りました。

■「心がもうグーって震えて感動しちゃったっていうのが僕の中では“面白い”だった」

連載開始から10年、多くの人を魅了してきた“ヒロアカ”。作中では人口の約8割が“個性”という特殊能力を持つ世界で、ヒーローと敵、それぞれ単純な善悪では割り切れない様や、個性のありなしから生まれる偏見など、社会のひずみが描かれます。

作品に込めた思いについて堀越さんは「世相がどうこうとか、現実世界でもこうだからこういうメッセージを込めてやろうと描いたことはない」と話し、「あくまでヒロアカ世界っていうものに対して責任を持って描く。常に面白いって言ってもらえることだけを考えている」と説明しました。

では、堀越さんにとって“面白い”とは何なのか、聞いてみると「改めて考えてみた時に、かっこいい必殺技とかクールなキャラクターはあまり夢中になっていたわけじゃなくて、例えば『ONE PIECE』で僕ボロボロ泣いちゃったんですよね。心がもうグーって震えて感動しちゃったっていうのが僕の中では“面白い”だったんです」と実体験を振り返り、「読んだ人の心がグラッと揺れて、ばーっと泣いちゃう。泣くと体験になるから、読んでくれた人に、そういう体験をもたらしたいなという感じです」と思いを語りました。

■「この人がヒーローだよな、僕にとっては」

漫画を描き続ける中で、“ヒーロー”という言葉のイメージが変わったという堀越さん。その変化について「1話目とか描いている時点では、殿上人みたいな、手の届かないところにいる人がヒーローだと思っていたのですけれど、立派なことをやらなくても、ちゃんとよくあろうとしていれば、それはもうヒーローなんじゃないのかな」と話し「僕は“もう描けねえ”ってなっちゃった時に、編集担当さんが“大丈夫っすよ”って明るいテンションでずっと言ってくれていたんですね。それがものすごく助かったんですよ。鳥山明先生(DRAGON BALL)、尾田栄一郎先生(ONE PIECE)、そういう方に憧れて漫画描いていたんですけれど、助けてくれたのって隣にいた編集担当さんだったので。“この人がヒーローだよな、僕にとっては”って」と身近なヒーローの存在を明かしました。

そして堀越さんは「実際に手を差し伸べてくれて、“大丈夫だよ”って肩たたいてくれた人はやっぱり本当に命の恩人になるので」と話し「(『僕のヒーローアカデミア』も)そういうところに着地するんじゃないかなと思っています」と、最終回について語っていました。