石原さとみ、シェイクスピアの舞台を熱演
石原さとみさんが、現在、さいたま市の彩の国さいたま芸術劇場で行われているシェイクスピアの舞台『終わりよければすべてよし』に出演しています。(埼玉公演は5月29日まで)
石原さんは、藤原竜也さんが演じる伯爵バートラムに一途な恋心を寄せる侍女ヘレンを演じています。初日公演を前に心境を聞くと、「怖いですね、ちょっと。緊張で震えています」と正直な気持ちを答えました。
彩の国シェイクスピア・シリーズを締めくくる舞台『終わりよければすべてよし』。
このシリーズは、イギリスを代表する劇作家シェイクスピアが残した全37戯曲の完全上演を目指すプロジェクトです。1998年にスタートし、「世界のニナガワ」と呼ばれた演出家の蜷川幸雄さんが生涯をかけて取り組んできました。
蜷川さんは、『シンベリン』(2012年公演)で源氏物語の絵図や岩手・陸前高田市の「奇跡の一本松」を舞台セットのモチーフにしたり、『ハムレット』(2015年公演)でひな壇を登場させたりするなど、様々な「日本」を取り入れた演出を行い、本場イギリスをはじめ世界中で高く評価されました。
2016年に蜷川さんが亡くなった後、後継者として吉田鋼太郎さんが演出を受け継ぎ、今作のヒロイン役にはシリーズ初挑戦の石原さんを抜てきしました。
■石原さとみの演技に共演者も魅せられる
4月、稽古場を訪れると様々な表情で演技をする石原さんが見られました。
石原さんを起用した理由について、吉田さんは「(見る人を)引き込むのよ、あの人。引き込まれちゃうの俺ら。(石原さんが)演技をやると、シーンとなりますね。“すごい、なに今の?”、“何か今ここに生まれたね”って。びっくりしますよね、僕も」と石原さんの感情表現を絶賛。
実は、稽古の休憩時間には、吉田さんや翻訳者の松岡和子さんたちとセリフのニュアンスについて何度も話し合い、自分の言葉にかみ砕く姿が見られました。
現在、日本テレビ系の水曜ドラマ『恋はDeepに』にも出演している石原さん。今回の公演に臨むため30センチくらいあった長い髪を切り、ドラマとは全く別の顔で役と向き合っています。
■“初のショートヘア”に込められた決意 語る
石原さんは「勇気を出さなきゃいけないことだったりとか、自分で自分のことを尋常じゃないくらいの力で持ち上げなきゃいけなかったりする部分が結構いっぱいある」と今作への心意気を語りました。
そんな石原さんに舞台とは何かを聞くと、「稽古大好きで、すっごい楽しくて。生きていく中でも一番刺激をもらえる期間だなと思うぐらい。(役者の)人間(性)が表れる感じがしますよね、すごく。年齢が上がれば上がるほど、経験を重ねれば重ねるほど、すごくどんどん楽しくなっていくのが舞台。自分で自分のことを鼓舞して、自分でつかみに行かなきゃって思える。だからこそがむしゃらになれるし、挑戦できるし勇気が出る。潰れそうなくらいのプレッシャーを感じますけど、泣きそうなくらい好きですねこの時間が」と舞台への熱意を明かしました。