松本幸四郎、48歳で初役に臨む
歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(48)が、歌舞伎座で上演される『八月花形歌舞伎』第三部「義賢最期」(8月3日初日)で初役に臨む心境を語りました。
演目は、勇将木曽義仲の父・木曽先生義賢の壮絶な最期を描いた名作“義賢最期(よしかたさいご)”。本来、去年4月「四国こんぴら歌舞伎大芝居」(金丸座)で、2018年1月から始まった“十代目松本幸四郎襲名”を締めくる演目でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により公演が中止になりました。
約1年4か月となる“義賢最期”の公演再開に幸四郎さんは「昨年の金丸座でやらせていただくことだったんで、松嶋屋の(片岡)仁左衛門のおじさんに教えていただいて、お稽古していただいたあとに中止が決まったので、そういう意味ではいつかチャンスというか、自分でつかまないといけないという思いはありましたので、そういう中で8月の歌舞伎座に出させていただくのでありがたいですし、逆にほかの演目にないプレッシャーはありますね」と心境を明かしました。
今回の演目について「とにかく8月の花形歌舞伎を開けて千穐楽を迎えるんだっていう思いでいっぱいです。演目としては襲名披露させていただく演目でもありましたので、その思いというのはあります。また金丸座で、自分が幸四郎になってご披露していませんので、それは早くその日が来ることへ向かってという思いがあります」と金丸座での公演に向けた思いを明かしました。
そして、見所については「私は三部の方で、初役で“義賢最期”を勤めさせていただきます。これは本当にドラマチックなお芝居で、また義太夫狂言でもありますけど、とても迫力がある歌舞伎を見た実感をものすごく堪能していただける芝居だと思います。また最後の最後では、もう義賢が命がけ、命を最後おとしてしまうんですけども、それくらい戦い、立ち回りシーンも見どころです。立ち回りもあるお芝居ですので是非歌舞伎を見た実感を味わえるので来ていただきたいと思います」と力強く語ってくれました。