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中村莟玉、初役に挑む「一生懸命勤める」

2021年7月8日 20:07
中村莟玉、初役に挑む「一生懸命勤める」

歌舞伎俳優の中村莟玉さん(24)が、現在公演中の歌舞伎座『七月大歌舞伎』第二部「身替座禅」(〜29日千穐楽)で初役に挑んでいます。

身替座禅(みがわりざぜん)は、狂言の大曲『花子』を題材に、松本白鸚さんが勤める浮気夫(山蔭右京)と中村芝翫さんが勤める嫉妬深い妻(玉の井)とのやりとりをユーモラスに描いた舞踊劇。莟玉さんは、玉の井の侍女・小枝を初めて勤めています。

この演目に出演する白鸚さんと芝翫さんも今回が初役。そんな中、自身も初役で出演する莟玉さんは「いろんな方たち、芯の役者さんでなさり方が違う中で、中村屋のおじさま(十七世中村勘三郎さん)の映像っていうものを取り寄せて、そこから構築されるっていうことだったので、我々にもその映像をいただきまして、それを元に(稽古し)芝翫のおじさまもその舞台をご存じでらっしゃいますし、“あっ、あのときの!”って、あれを参考にするんだって感じで作ってらっしゃると思うんですよね」と話しました。

去年、この演目で小枝を勤めた中村米吉さん(28)と共に舞台に立つ莟玉さんは「歌舞伎のルールとして先輩というか二人いたら真ん中の人が、セリフにしろ、方向転換するのにしろ、その方にみんな倣う、脇の人たちが倣うというルールがあるので、そこは一生懸命ついて行き、わかりやすくもしてくださる」と語りました。

そして最後に「はじめて歌舞伎をご覧になられるお客様にもわかりやすいストーリーだと思います。お芝居というより舞踊の要素もあるしでも完全に舞踊でもない舞踊劇っていう仕立てになっております。音楽的にも楽しんでいただけるし、ストーリーも楽しんでいただける“クスッ”と笑えるっていうところが本当に肩の力をぬいて楽しんでいただける演目でかつ華やかな演目だと思いますのでその点を楽しんでいただけたらいいなというふうに思います」と見どころについて明かしてくれました。


写真:『七月大歌舞伎』第二部「身替座禅」より (左)千枝を勤める中村米吉さん(右)小枝を勤める莟玉さん