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円楽が断言「圓生」襲名あるよ復活への思い

2021年8月20日 12:23
円楽が断言「圓生」襲名あるよ復活への思い

落語家の三遊亭円楽さん(71)がトリを務める国立演芸場8月中席が20日、千穐楽を迎えました。「笑点」の永世名誉司会者・桂歌丸さんからトリを引き継いで今年で3年目。肺がんと脳腫瘍2度の大病を乗り越えた今、改めて語られる大名跡「三遊亭圓生」への思いとは—


■円楽さんに聞く「三遊亭圓生」を継ぐ日は来るか

——【1】三遊の宝「圓生」初代は三遊の祖

なんとか世の中にもう一度戻さなきゃいけない。三遊一門の悲願というか、もったいない。一度“止め名”にしちゃったでしょ。圓生っていうのは落語家が尊敬する圓朝の師匠である二代目の圓生がいて、そのお師匠さんの前に初代の圓生がいるわけ。木母寺というお寺に三遊塚ってのがあるんですがね、ここでもイベントを始めたんだけども、やっぱり圓生という名前は六代目で止めちゃいけない。だけど出すについちゃ、下手なやつに継がせられないんですよ。(七代目圓生を)継ぐ気がありますか?って言ったら、あるよ正直言って。


——【2】楽太郎から円楽、そして圓生への夢

円楽から圓生になって、つなぎの圓生でいいんだよ(笑)誰かに渡すために一回世の中に出す役目は俺の責任かなって思ってる。うちの師匠(五代目三遊亭圓楽さん)は六代目圓生に追随して孤軍奮闘した。だけど俺は今、外交をやって、いろんな人といろんな話をしながら、やっぱり名前は大事。全体の宝なんだから、まして三遊の宝なんだから、世の中に出さなきゃいけない。余命のあるうちに一回圓生を出さなきゃいけない。その部分で言うと、もう私が動けば決まっちゃうことだと思う。というのは先輩方がほら、俺よりずっと年が上で、病気の俺より体力がないんだから(笑)俺ならまだまだ圓生でもって少しはできるかな。


——【3】芸の比較ではなく、世に出してつなぐ責任

今「圓生の録音室」って本を読んでるんだけど、まぁあんだけの資料という部分では、すごいものを遺してくれてる大名人。滑稽から人情噺まで。芸で比べられるとね、申し訳ないという気持ちはある。だけど芸で比べるんじゃなくて世に出すための、楽太郎から円楽になった俺が世間に少しでも知られてるならば、そこが継いでれば、一回世の中に出るんじゃないかな。それでよしとしてくれよと。やるって方向性決めたらば、あとは方法を考えりゃいいんだから。なにもなんなくてもいいんじゃねえかって言う人もいるけどもね、面倒くさいからでしょ。イベントとして俺やりたいね、落語界のイベントとして。それまで死なないようにしなきゃ(笑)


円楽さんは2007年から東西の協会や派閥の垣根を超えた一大プロジェクト「博多・天神落語まつり」をプロデュース。2010年3月、大師匠・六代目圓生さんからもらった名前「三遊亭楽太郎」改め六代目三遊亭円楽を襲名。2019年からは博多に続き、東西の人気落語家が結集する「さっぽろ落語まつり」もプロデュースし、落語界の現役トップランナーのひとりとして、落語界全体を牽引する役割を果たしています。