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2021年9月28日 13:35

“竜そば”細田守が映画監督になった理由

“竜そば”細田守が映画監督になった理由
(c)NNN

この夏No.1ヒットとなりロングラン上映が決まった『竜とそばかすの姫』を手掛ける細田守監督(54)にnews every.がインタビュー。映画監督になった理由や約10年おきに描いてきたインターネット社会の可能性を語ってくれました。


■人見知りだった子供が映画監督になった理由

人間って、場所や住んでるところだけではその人の値打ちってわからないと思う。例えば僕でいうと、子供の頃ものすごい人見知りで、あんまりその喋るのも得意じゃなくて、一人で完結するような職業はないかなと思って“画家”になれたらいいなと思ったんですよ。画家だったら人としゃべったりしなくても商売が成り立つんじゃないかとか?とか思ってね。ところが何の間違いか“映画監督”になっちゃって、しゃべんなきゃ駄目ですよ。今でも言われても無いことをべらべらしゃべるでしょ?だから職業ってすごいんですよね。


■今も引っ込み思案「職業の妖精が人を変える」

本質的には今も引っ込み思案のままだと思うんですけど、職業の妖精は人を変えるというか、違う自分が出てくる。学生の時の自分には考えられないですよ。そういうことがあるので、今回の映画の主人公・ずずみたいにクラスの隅っこで目立たないようにしてる女の子も、それだけの存在じゃなくてベルのように場所が変わればもっと違う自分ってのがそこに出てくるんじゃないか?それがベル。クラスの隅っこにいる子と真逆のインターネット世界の中心でクジラに仁王立ちして歌ってるわけですから。そういう事が起こりうるわけで、鬱屈した気持ちで居る人たちも希望を持ってほしいんです。もっと全然違う可能性があるんだよってことを知ってほしい。自分自身の中のもう一人と出会うっていうことがあるんじゃないか?それがインターネットの1つの可能性なんじゃないかって気がするんですよね。


■約10年おきにネット世界を描く細田監督 今後も描く可能性は?

インターネットがほぼ現実化してる世の中において、繰り返しそれを描いていくべき世界かもしれない。今まで10年おきにインターネットの世界を描いてやってきたんですけど、これから現実を描くのにインターネットの世界とは無縁ではない世界なので、やっぱりそういうこともあり得るかも知れませんけれども。どうなんでしょう、コロナ禍って改善の兆しがあるかもしんないけど、そう簡単に終わんない世の中なんでやっぱりみんなが欲求不満のまま自由を束縛されたまま、しばらく生きざるを得ないってことは間違いない。そういう中でやっぱりそういう気持ちに少しでも寄り添えるような新しい作品が求められると思うので、そういうものに僕らが作品を通して応えてあげられるような、寄り添ってあげられるようなものが出来たらうれしいなと思いますけどね。


■「エゴサはしない」細田監督

今回、約40分にわたりインタビューに応じてくれた細田監督。ネットのエゴサーチについて最後伺うと「全然してないです。前はしていたがエゴサーチはやめた方がいい。表現者である以上、作品で応えるべき」と力強く語っていました。