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磯村勇斗「波のある年」悩んだ1年振り返る

2021年12月15日 17:15
磯村勇斗「波のある年」悩んだ1年振り返る

今年1年で17本もの映画やドラマに出演した俳優・磯村勇斗さん(29)。2年ぶりに出演する舞台『泥人魚』の稽古と初日前日にインタビューし、大忙しの中でも舞台に挑戦する思いや、人知れず悩んでいたという1年を振り返ってもらいました。

磯村さんが演じるのは、港の町から逃げ、都会の中で自分の道を見つけようともがく青年・蛍一。共演者には、宮沢りえさんや風間杜夫さんなどベテラン俳優たちがいる中、物語の中心人物を演じる磯村さん。約2時間の作品でほぼ切れ間なく出演し、セリフ量も膨大です。

——約1か月稽古をしてきて、仕上がりはどうですか?

「この『泥人魚』の作品はお客様と一緒に進化していく作品だとも思うので、もちろん完成までは持ってきてはいますけど、そこからさらに化けていくのではないかなと思いますね。初日もし来てくださる方は楽日なり後半も一緒に見てもらいたいなって、2回3回は見てもらいたいなって思いますね」


■映画やドラマに引っ張りだこ…1年の最後に大舞台に挑戦する思い 

磯村さんといえば、卑劣なヤンキーや年上彼氏を振り回す同性愛者、見習いコックなど幅広い役柄を演じ、今年は映画『東京リベンジャーズ』やNHK大河ドラマ『青天を衝け』など、1年で17本もの作品に出演するほど引っ張りだこ。来年も映画『前科者』(1月28日公開)など、多くの出演作が控えています。

——映像のお仕事でお忙しいと思うんですけど、そんな中で今回この舞台に挑戦する意味は?

「もう一度“原点”に戻るんですけど、僕は17歳のころに沼津演劇研究所っていう地元の劇団に所属して、舞台を立たせてもらったところから始まってるので、その当時をほうふつさせるような空気というか、その原点に戻ったなっていう感じも感じつつ、でもそこからまた1個成長しなきゃいけないので、俳優として今後自分がやっていく上での“道しるべ”みたいなのが見えるかな」


■磯村の演技について…主演・宮沢りえは「大成功」

2人のシーンも多く、磯村さんの演技を間近で見ている主演・宮沢りえさんに、磯村さんの演技について聞いてみました。

宮沢さん
「最初すごい一生懸命やってて、今力が抜けた時にすごいおもしろくてチャーミングなシーンが生まれたりすることが楽しくなってきたんじゃないかなと。役者さんは何にでもなれるっていうことを1番の願望としてやっているとは思うんですけど、本当の磯村さんっていうのがみんなきっとわかんないぐらいいろんな役をやられてるから、それは大成功なんじゃないかなと思います」


■「なんでおれ今俳優やってるんだろ」悩んだ1年を振り返る

—— 一度に複数の役をやることもあると思いますが、それで私生活に影響が出たり他の現場で違う役が出たりすることは?

「同性愛者の役と不良の役とサウナ好きな人の役の3作品ぐらいが同時期に入ってたときは、サウナのときかな、同性愛者役の言葉遣いになっちゃって、そのときは、やばい自分今そっちの役に入ってないって反省した思い出がありますね」

——1個の作品が終わってから、しばらく役を引きずることは?

「作品中はありますけど、終わったらそこでもうパーンと僕はすんなりいけたりするんですけど、でも舞台とかは結構長い間役に触れてるので抜きづらいっていうことはあったりします」

——そういうときの息抜き法は?

「それ聞きますか?僕に(笑)サウナですよ、サウナしかないですね、僕は」

——今年1年振り返って、どういう1年でしたか?

「すごくいろいろ考えた年だったかもしれないですね。俳優として、上半期はほんとにすごい悩んでて、“なんでおれ今俳優やってるんだろ”みたいな、“何をやりたいんだ自分は”みたいなのをすごく考えてる時期があり、波のある年でしたね。でもそれはたぶん永遠にみんな考えることだと思いますし、すぐに答えが見つかるもんではないのは自分でもなんとなく分かってるので」

——そういう悩む時期に入ったときはどうやって抜け出した?

「自分に対してムチを打っていたような気がしたので、もうちょっと自分に優しくなろうって思い始めてから少し前に進むことができたかなーと思いますね。“お芝居好き”“現場が好き”っていうとこだけは絶対折れずにいたいなって思いますね」


■まじめな中でも“サウナ愛”は忘れず

12月29日に千秋楽を迎えるこの舞台。「今年はこの舞台にかけて終わりたい」という磯村さんに、舞台が終わって1番最初に行きたいところを聞いてみると—

「うわーなんですかね、年末29日ですからね。どうしよ、どこ行こうかな、、、サウナ?(笑)都内ではなくていつも行かないようなところにちゃんとリフレッシュしに行きたいですね、山とかの方に」