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『みかん缶シロップ』に『ホットケーキ』 「めっちゃ気になる」と話題の紙パック飲料、続々発売のワケ

2024年2月21日 21:45
『みかん缶シロップ』に『ホットケーキ』 「めっちゃ気になる」と話題の紙パック飲料、続々発売のワケ
SNSで話題となった紙パック飲料
コンビニやスーパーマーケットなどで、1年を通してさまざまな新商品が発売される紙パック飲料。今月に入り、『リプトン ホットケーキ紅茶ラテ』(森永乳業)や、『あの日飲みたかったみかん缶シロップ』(日清ヨーク)が発売されると、「どんな味なんだろ」、「攻めた商品だなぁ!」などと、その気になるフレーバーがSNSで話題となっています。今回、それぞれの商品のマーケティング担当者に取材を行い、話題となった紙パック飲料を発売するまでの経緯や、こうした“変わり種紙パック飲料”を発売する理由を伺いました。

■『みかん缶シロップ』は入社1年目の新入社員が開発

今月13日に、紙パック飲料『あの日飲みたかったみかん缶シロップ』がコンビニで期間限定商品として発売されると、すぐさまSNSでは「めっちゃ気になる」、「人類の“夢”じゃん」などと大きな話題になりました。

この商品を発案したのは、日清ヨークのマーケティング担当の小林さん。2023年に新卒で入社してすぐに開発を担当したそうで、「入社したばかりで右も左も分からない状態だからこそ、とにかくお客さまの視点に立ち、思わず“わかる!”と共感を呼ぶ商品を作りたいと考えを巡らせていたところ、子どもの頃にわくわくしながら飲んだ『みかん缶のシロップ』を商品化するアイデアが思い浮かびました」と当時を振り返り、「『みかん缶のシロップ』をわくわくしながら飲んだり、親に飲むことを制限されたり、兄弟姉妹で取り合いになったりと、懐かしいエピソードをお持ちの方も多いのではないかと思います。あの日憧れたあの味を思う存分飲める夢のようなドリンクを目指し、本商品の開発をスタートしました」と、商品化のきっかけを明かしました。

『みかん缶シロップ』飲料の製作で、こだわった点を聞くと「味わいは、普通のみかんジュースとは違う、みかんの風味や舌がキュッとなる酸味、シロップならではの優しい甘みといった『みかん缶のシロップ』ならではの味わいを再現することにこだわりました。色々な『みかん缶のシロップ』を実際に飲み比べ、再現する味わいを決定しました」と、子どもの頃に憧れた味を再現するため試行錯誤したといいます。

さらに、パッケージにもこだわりがあるそうで、「『みかん缶』のイラストをパッケージいっぱいに大きくデザインしたところもこだわりのポイントです。“こんなところになぜみかん缶が置いてあるの?”と飲料売り場で違和感を持ち、手に取っていただけるよう、立体感などよりリアルに見せるために最後の最後まで修正を重ね細部にまでこだわりました」と、目を引くパッケージとなった経緯を明かしました。

■再現性の高い味づくりを目指した『ホットケーキ紅茶ラテ』

さらに、今月話題となった紙パック飲料が『リプトン ホットケーキ紅茶ラテ』。こちらも発売後には、SNSで「味の想像がつかない」、「気になる」などの意見とともに、「ホットケーキと紅茶を一緒に味わえる不思議な味」といった、今までなかったフレーバーに衝撃を受けているコメントなどが多数投稿され、話題となりました。

この商品について、森永乳業のマーケティング担当者は「元々、自分がホットケーキを食べるときに紅茶を飲んでいて、非常に相性が良いなと感じていました。今回、森永製菓株式会社とコラボさせていただくことになり、“相性の良いホットケーキ(森永ホットケーキミックス)と紅茶(リプトンのミルクティー)をもっと気軽に楽しめるように一緒にしてみたらどうなるだろう…?”という発想から、こちらの商品が生まれました」と、新たなフレーバー誕生のきっかけを明かしました。

また、こだわった点については「『森永ホットケーキ』の味の再現性にこだわりました。商品の味を検討する研究部門に、何枚もホットケーキを焼いてもらい、試食と商品の試作を重ねて、再現性の高い味づくりを目指しました。バター感を増やしたり、メープルシロップ特有のまったりとした濃厚な甘さを表現したり、ベイクド感を出したりと、何度も試製を行って出来た」と明かし、「最終的に、研究部門の担当者はホットケーキを焼くのがものすごく上手になっていました」と、ホットケーキの味を再現するため試行錯誤した結果、新たな特技も生まれたと開発秘話を明かしてくれました。

今回話題となった商品だけでなく、これまでも一風変わったフレーバーの飲み物が発売されてきました。例えば、森永乳業では『チョコボール紅茶ラテ』や、『DARS紅茶ラテ』など森永製菓とコラボした商品や、『れん乳ミルクティー』、『森永牛乳プリン紅茶ラテ』といった自社製品とのコラボ商品。さらに、社内外ともに好評だったというのが『爽快ミントミルクティー』だそうで、「チョコレートは使用しておりませんが、チョコミントを愛好されている“チョコミン党”の方々を中心に大変ご好評いただいた」と自信をのぞかせました。

こうした商品のアイデアが生まれるきっかけについて、担当者は「週末に街を歩いていて食品や飲料を見かけた際に、“これを紅茶と掛け合わせたらどうなるだろう”と想像して、商品のアイデアを思いつくこともあります」とフレーバーが誕生するきっかけを明かし、「なるべく“面白い、気になる”と思っていただけるようなミルクティーを開発しています。また、いつもリプトン商品をご愛飲いただいている方にも、新しい紅茶の楽しみ方をご提供できればと考えています」と、商品開発への思いを語りました。

また日清ヨークも、これまでに一風変わったフレーバーの紙パック飲料を開発しており、「温活に着目し、レンジで温める新感覚ののむヨーグルトとして発売した『温グルト』や、すっぱいもの好きの人に向けた、日清ヨーク史上最高にすっぱい『限界すっぱ』はお客様にも好評で、社内人気も高かったです。無炭酸のコーラに挑んだ『無炭酸コーラ』も変わり種としてご好評いただきました」と、これまでの変わり種紙パック飲料を振り返り、「おいしさは当然のことながら、“どんな味か気になる!”。“こんなものが欲しかった!”というように、お客さまにコミュニケーションのきっかけとなるような楽しさも提供したいと考え商品を開発しています。斬新な商品開発は日清ヨークの得意分野です。これからもユニークな商品を開発していきます」と、これからも話題となるような商品の開発へ意気込みを語りました。