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“公衆電話”が雑誌『幼稚園』の付録に スマホ時代の「今、なぜ?」担当者に聞いた

2023年12月26日 21:40
“公衆電話”が雑誌『幼稚園』の付録に スマホ時代の「今、なぜ?」担当者に聞いた
『幼稚園』2024年4・5月号の付録『こうしゅうでんわ』
幼児向け雑誌『幼稚園』を編集する小学館は25日、公式X(旧ツイッター)で、2024年4・5月号の付録が紙で作る“公衆電話”になることを発表しました。スマートフォンが普及する今の時代に“なぜ、公衆電話なのか?”担当者を取材しました。

幼稚園や保育園に通う4・5・6歳向けの雑誌『幼稚園』。これまで、企業とコラボレーションした“リアルな紙付録”が話題となってきました。

たとえば、セブン銀行とコラボした『セブン銀行ATM』(2019年9月号)。コンビニや駅などに設置されているATMそっくりで、紙のお札がATMに吸い込まれたり、出てきたりする本格的な動作が話題となりました。さらに、自動改札機を作っている会社・JR東日本メカトロニクス株式会社とコラボした『じどうかいさつき』(2022年5・6月号)は、ミニサイズではあるものの、Suicaに見たてた紙でタッチすると音が鳴り、自動でドアが開くという仕掛け付き。『幼稚園』の公式サイトでは、「お外で見かけるものが手元にある! という特別感や喜びを味わうことができます」と紹介されています。

■担当者を取材「子どもたちに知ってもらいたい」ワケ

そして、2024年4・5月号(来年2月29日頃に発売予定)の付録に決まったのは『こうしゅうでんわ』。NTT東日本とコラボし実現しました。ほぼ紙製の組み立て工作で、カラーは公衆電話でおなじみの緑。高さは約30センチあり、本物とほぼ同じ大きさだといいます。実際に受話器をとったり、テレホンカード(紙)を入れたり、プラスチック製のボタンを押したりすることも可能で、通話を終えて受話器を置くと、テレホンカードが自動で戻ってくる仕組みとなっており、公衆電話のかけ方が疑似体験できます。

スマートフォンの普及などにより、台数や使用する機会が減っている公衆電話。“なぜ今、幼児向けの付録が公衆電話なのか?”『幼稚園』の付録担当者を取材すると「防災、防犯のためにまずは存在を意識してもらうためです! 昨今、大人もあまり使わなくなってしまった公衆電話ですが、災害等の緊急時に連絡を取る手段として大切な存在です。私たちは忘れがちですが、災害時にはスマホや携帯電話が使えなくなることもあります」と、防災・防犯を意識した付録であると回答しました。

さらに、「“もしも”の時のため、まず公衆電話を子どもたちに知ってもらいたい。そして、緊急時のためにその使い方も知っておいてほしい。大人の私たちでも公衆電話のかけ方を忘れてしまっている今、子どもたちと一緒に公衆電話の存在を思い出し、いざという時のために一緒に防災、防犯に役立つ知識を持っておいてほしいという願いのもと、NTT東日本様とコラボさせていただきました」と、今回の付録への思いを明かしました。

また、2月29日という発売日に関して、「(東日本大震災が起こった)3月11日に防災を思い出してもらう」ということも意識しているそうで、「公衆電話のその先に防災対策を学んでほしい」という願いを込め、作成したということです。