窪塚愛流 20歳&蒔田彩珠 21歳 「後悔はしたことない」俳優の道を選んだワケ
映画は、心臓の病気によって医者から余命1週間と告げられた高校生・由茉(蒔田さん)と、彼女に寄り添い、好きなことをして幸せな日々をつくることに協力する恋人・雪夫(窪塚さん)のラブストーリー。残酷な運命に向き合いながらも、残りの人生を明るく精いっぱい過ごそうとする二人の姿が描かれています。
■蒔田彩珠、窪塚愛流の愛ある言葉に「恥ずかしいです(笑)」
――それぞれ役を演じた感想を教えてください
蒔田さん:演じる前と演じた後では、死と生に対する思いが変わりました。当たり前に自分の周りの好きな人たちと一緒に過ごしてるのが、いつなくなってしまうか、本当に分からないんだなと思いました。
窪塚さん:自分の役よりも、(蒔田さん演じる)由茉のことを考える時間が多くて、そういうの自分の中で初めてだったんです。自分の役をどこまで追究するかがメインだったのにお風呂に入っている時も、トイレをしている時も、寝る前も、朝起きても由茉のこと考えているっていう。
蒔田さん:恥ずかしいですね(笑)でも本当にそれが撮影中もひしひしと伝わってきて、移動のバスの中でもずっと台本を握りしめていたので私もしっかりそれに向き合いたいなって思っていました。
――由茉を演じる蒔田さんの姿はどのように映っていましたか?
窪塚さん:まぶしかったです。蒔田さんが由茉を演じてくださったからこそ、自分の人生がすごく豊かになったと思います。感謝してます。
蒔田さん:ありがとうございます(笑)
――もし本当に由茉、雪夫のような運命になったとしたら自分はどのように生きると思いますか?
窪塚さん:僕はそこまで心を広く受け止めてあげられないかもしれないです。ステキな彼氏として横に立ってあげられないかもしれないです。で、一週間たってから後悔すると思います。
蒔田さん:私も由茉みたいにあんなに周りの人のことを自分よりも優先して元気に振る舞えないと思います。
■窪塚愛流、表現者の親に生まれ「なかなか一歩が踏み出せなくて」
数々の話題作に出演し、注目されている二人。蒔田さんは7歳の頃から子役を始め、窪塚さんは、芸能一家で育ちながら2021年に本格的に俳優活動をスタートさせ、物心がつく頃から芸能界に関わっていました。
――若いころから俳優として活動を始めた2人。役者という道を決断したのはいつでしょうか?
蒔田さん:私は物心つくかつかないかくらいの頃から(子役を)始めたので、母が続けるか続けないかみたいなのをいつも委ねてくれていたので、そこの決断はありましたね。“仕事だから”ではなくて、“自分の好きなことだから”っていうのを前提に楽しみたいなっていうのがずっとあるので「頑張るぞ」って。
窪塚さん:父親が俳優で、おじが2人俳優とレゲエアーティストで、元々母親がダンサーという家族に生まれたので、幼い時から“表現者になりたい”って思ってたんですけど、なかなか一歩が踏み出せなくて。当時学生でずっと遊んでたんです。ただ、入った高校がみんなスポーツとか芸能活動とかをしていて、一日一日を大切にがむしゃらに頑張っている姿に負けず嫌いが働いて(俳優になることを)決めました。変かもしれないんですけど…自分のことがすごく好きなんです。だから自分のことが好きだったら何でもできるっていうのがあります。漠然とした謎の自信ですけど、それは昔からあります。テスト前も謎の自信で乗り越えてた。
蒔田さん:乗り越えられるんだ?
窪塚さん:いや、乗り越えきれないけど(笑)点数はやさしくなかった(笑)
■窪塚&蒔田 俳優の道を選んだことは「後悔なし」
――俳優という道を選んで後悔した経験はありますか?
蒔田さん:後悔したことないです。その時、間違ってたなと思ったとしても結局今の自分に全部つながっているので、戻ってやり直したいとかはないです。
窪塚さん:僕も同じです。後悔なし。
――同世代の俳優を見て感じることはありますか?
蒔田さん:作品とかを見て、比べるではないですけど、私だったらこういうお芝居でやったかなとか、こういう同世代の女優さんがいるんだなとかは思います。
窪塚さん:比べるっていうか羨んでいました。“いいなあ”、“うらやましいな”って思っていたんですけど、自分にしかない歩めない人生を歩んできたから、“自分の人生を大切に愛してあげよう”って思ってから、あまり人と人を比べたり、自分と人を比べたりはしなくなりましたね。みんないいねって思います。
――20代の二人が生きていく上で心がけていることはありますか?
蒔田さん:身近な人だったり、どこかで応援してくださってる人だったり、いろんな人がいてこそ、自分が今こうして好きなことをできているので、そこは今後の人生も忘れずに生きていきたいです。
窪塚さん:「ありがとう」っていう言葉をこれから先も伝えていきたいなって思います。例えばコンビニのレジで「ありがとうございます」って言葉でもやっぱ言われた側も、言った人も感謝の気持ちって人間を幸せにする力があると思うんですよ。それは自分がおじいちゃんになってもずっと「ありがとう」だけじゃなくて、他にもいろんな感謝のこもった言葉はとじこめずに伝えていきたいなって思います。