ヤクルトスワローズ×乙女ゲーム 異色のコラボは“ありえそうでなさそう”を狙った 制作担当者を取材
ゲームは、プロ野球・東京ヤクルトスワローズと、乙女ゲームと呼ばれる女性向け恋愛ゲームを手がける『オトメイト』がコラボした恋愛アドベンチャー作品。『株式会社ヤクルト球団』に入社した主人公が、プロ野球に誕生した新しいプロリーグ『トップスターズリーグ』に挑戦する新人選手たち9人の広報担当となり、彼らと優勝を目指す姿や恋愛模様が描かれます。
■コラボの提案はヤクルト側から
今回、ゲーム制作に至った経緯や制作発表時のファンからの反応など、瑞澤さんにコメントをいただきました。
――今回、東京ヤクルトスワローズとコラボすることとなった経緯を教えてください。
ヤクルト球団様から最初にお話をいただき、そこからプロジェクトが立ち上がりました。「オトメイト」とのコラボレーションをするなら、やはりゲームタイトルとなりますので、女性向けゲームとしてどう落とし込むか……そこに時間がかかったタイトルですね。女性向けゲームを普段プレイされる方で、野球に興味がある方というのはそんなに多くはないと思い、新しいリーグを立ち上げるという設定にし、現在の企画内容に落ち着きました。
――ゲームの制作を発表した際は、どのような反応が届きましたか?
『東京ヤクルトスワローズの選手と恋愛ができるゲームが発売!』という感じで広まってしまったので、ネット上でざわざわしてました……。そういった違う受け取り方をした人も含め、私が想像していた以上にニュースとして取り上げられたため、やっぱり東京ヤクルトスワローズの影響力ってすごいんだなぁ、と改めて思ったものです。
――ゲームの魅力はどういった部分ですか?
野球に詳しくない方にも楽しんでいただける内容、というところがポイントではないでしょうか。野球用語については基本的なルールから解説するようにしましたが、かといって詳しい方から見れば邪魔な要素になってしまうため、そこはプレイしていて邪魔にならないよう工夫しました。
■実在する球団とのコラボ “こだわり”と“苦労”
架空の新設リーグを舞台に、そこに挑戦する新人選手を描いた今回の作品。実在の球団とコラボするからこそ、リアリティーを感じてもらうためのこだわりや、苦労したことがあったといいます。
――制作でこだわった部分はどこですか?
東京ヤクルトスワローズを題材として扱う以上、リアリティーは大事な要素だと思っていましたので、架空リーグのストーリーにどうリアリティーを持たせるのか……このあたりはこだわって制作しましたね。明治神宮野球場や二軍練習場はロケをさせていただきましたので、そのままの雰囲気を画面にいかしました。あとは球団職員の細かなルール的なものも、ストーリーの各所にちりばめてあります。ありえそうでなさそう……という感じを狙って制作しています。
――制作の中で難しかった部分、苦労した部分はどういった部分ですか?
「野球とアイドルを融合したリーグ」の設定を考えるだけで、かなり時間を費やしました。それっぽく作るのが結構大変でしたね……。あとは、主人公が女性ですと、行動の範囲やできることが限られてしまうことが多くて、よく壁にぶつかりました。ぶつかるごとに設定を考えなければならなかったため、開発の序盤は苦労が多かったです。
――どのような層に今回のゲームが届いてほしいですか?
もちろんメインはオトメイトファンの方なのですが、これまで女性向け恋愛アドベンチャーゲームなんてしたことがない、という方にも届いてほしいと思い制作しました。例えば共通ルートのあとはキャラクター別のルートに入るのですが、キャラクターを選択する方式にしたりして、なるべく気軽にプレイできるよう配慮しています。9人もいますから選択式にしていないと大変……というのもありますね。
■つば九郎は“攻略対象外”も…フリップ芸は健在
――SNSでも「つば九郎は攻略できるのかな」というコメントもありますが、つば九郎はどのように活躍するのでしょうか?
そういったご意見を多数頂戴していますが、残念ながら彼を攻略することはできません。ですが、ゲーム中にはキャラクターのひとりとして登場しますよ。彼はしゃべりませんから喜怒哀楽をポーズで示す必要がありましたので、どんなポーズにしたら伝わるのか結構悩みました。また、会話はすべてフリップボードを持たせ、文字による会話となります。すべて……というわけにはいきませんでしたが、一部ご本人に書いていただいたメッセージが出てきますよ。ゲーム中でも突っ込みがさえています(笑)。