林家こん平さんの『都電落語会』10周年で閉幕へ 「父と歩んだ二人三脚、思い出がたくさんありすぎて」
■『都電落語会』10周年 2024年度で閉幕へ
この日は、演劇経験を経て32歳のとき六代目三遊亭円楽さんに入門した三遊亭楽八さん(44)と、三遊亭好楽さんの孫弟子で三遊亭兼好さんの弟子・三遊亭けろよんさん(27)が車内の高座へ上がり、独特の空間の中で観客を沸かせました。
けろよんさんは“動く落語会”について「かなり珍しいですね。いつもより(客席と高座が)近い感じで、乗り降りもあるので(笑)、お客様とコミュニケーションをとりながら、時間を見てやるというのは難しい」と苦笑い。この都電の中で落語を楽しむ風情は地域活性化などに貢献してきましたが、2024年度をもって閉幕することになりました。
こん平さんの二女・咲さんは「父と歩んだ二人三脚での都電落語会です。思い出がたくさんありすぎて、(こん平さんの)介護度が大変よくなっていくという奇跡、ミラクルを起こした都電落語会を永続的に運行していきたいという思いもあるんですけど、10周年を機にラッピングも含めいったん終了という形をとらせていただきたい。長いようで短かった都電落語会と父と私の歩みが完結したという思いでいっぱいです」と語りました。
そして、こん平さんがいたら何と声をかけてくれると思うか聞いてみると「『1、2、3、ちゃら~ん!』というおたけびをあげながら、きっと『よくやったね』と言ってくれているんじゃないかなと思っています。『もうちょっと続けられない?』ぐらいに思っているかもしれません」と笑顔で話しました。
こん平さんの闘病や介護を通じて学び、現在は地域活性化プロデューサーとして北海道から沖縄まで全国で活動しているという咲さんは今後について「笑いがもたらす商店街の事業だったり福祉事業といったところで、父の冠を残しながら、より全国の多くの皆様に笑いを届けたい。あきらめないで物事に挑戦していただきたいと伝えていきたい」と説明。
また、新たに東京都の自殺対策事業にも取り組むといい、「命の大切さ。生きたくても生きられなかったり、生きづらい世の中ではあるんですけど、笑いがもたらす効果で心を変えていけるように」と力を込めていました。