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“ロッキー”吹き替え・羽佐間道夫88歳 「ロッキーだけは羽佐間がやれよって」キャスティング秘話

2022年8月19日 8:05
“ロッキー”吹き替え・羽佐間道夫88歳 「ロッキーだけは羽佐間がやれよって」キャスティング秘話
イベントに登場した羽佐間道夫さん
映画『ロッキー』シリーズで主人公・ロッキーの吹き替えを担当してきた声優の羽佐間道夫さん(88)が18日、映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ』の公開前夜祭イベントに登場しました。

本作は、監督・脚本・主演を務めたシルベスター・スタローンさんがシリーズ最大のヒット作『ロッキー4/炎の友情』を自ら再編集したディレクターズ・カット版。スタローンさん演じるボクシングの王者ロッキー・バルボアが、友人でもあり師でもあるアポロ・クリードのためにロシアの殺人マシーン、イワン・ドラゴに立ち向かう姿が描かれています。

1作目の初回テレビ放送から35年以上、ロッキーの日本語吹き替えを務めてきた羽佐間さん。ロッキーの声を務めるにあたり「キャスティングされた時は戸惑いました。向こう(スタローン)の腕は僕の胴体と同じ(太さ)なんだよ。そんな人を僕が吹き替えるのかって、ずいぶん迷いました」と当時の心境を明かしました。

満席状態の有観客でイベントが行われたこの日、客席を見た羽佐間さんは「ありがたいですね。まだこれ(人気)が続いているかと思うとなんとも言えないです」と感慨深そうにコメント。

続けて「前にシルベスター・スタローンが僕と会うという企画がありました。僕はお断りしました。会って何になるんだ。ただただコンプレックスにかかるだけじゃないか。声も姿も全然違うのに会ったってしょうがないって言ったら、向こうも“そうだな”って言って終わりになりました」と驚きのエピソードを明かしました。

これに対し、ロッキーの恋人・エイドリアンの声を務めてきた俳優の松金よね子さん(72)は「“僕は全然違う”って言うけど、スタローンの体格とあの顔に(声を)あてられる人はいます?」と質問。羽佐間さんは「スタローンって野太い声なんですよ。“それをずっとやっていくのはしんどい、僕はそれができない”と(話していた)」と、当時は映画『ランボー』シリーズでスタローンさんの吹き替えをしていた、ささきいさおさんに役を譲ろうとしたと言います。「彼はランボーだとか、ずっとやってますけど、どういうわけか、ロッキーだけは羽佐間がやれよっていう声があって、それを守ってずっとやらせていただいております」とさらなるエピソードを告白しました。