RADWIMPSが主題歌担当 映画『余命10年』野田洋次郎が明かす制作秘話「魔法みたいなことを…」
ロックバンド・RADWIMPSが、劇伴と主題歌を担当した映画『余命10年』。音楽を手掛けたRADWIMPSの野田洋次郎さんと藤井道人監督による対談が実現し、その特別動画が10日、YouTubeで公開されました。
本作は、20歳で難病を患い余命10年ということを知って、もう恋はしないと誓った茉莉(まつり)と、生きることに迷い自分の居場所を見失った和人(かずと)の2人が、ひかれあう姿を描いた作品。茉莉と同じく難病を患い、余命10年を生きた小坂流加さんによる原作小説を映画化。3月4日に公開を迎えると、3日間で興行収入3億円を突破しました。
対談動画では、藤井監督と野田さんが、楽曲の制作秘話や楽曲に込めた思いについても語りました。
■藤井道人監督×RADWIMPS・野田洋次郎 対談
――主題歌「うるうびと」について、2人の中で打ち合わせなどはあった?
藤井:いや、なかったですね。僕らが台本をお渡しして、野田さんの思う曲をっていう。
野田:そうでしたね、結構最初から全幅の信頼を寄せていただいている感じがあったので。じゃあ、まず思ったまんま作ってみます、っていう話をして。
――楽曲依頼のいきさつについて
藤井:ちょっと僕はムチャブリ&詐欺まがいで…。「野田さんに今回『余命10年』の音楽やってほしいんです!」と伝えると「全然やりたい」って言ってくださって。「でもどれぐらい曲数あるの?」って言われた時に、とっさに「まぁ…15曲ぐらい…あんまり音楽多くないイメージなんですよ」って言ったんですよ。
野田:いまだに覚えてるのは17、18だったかな。
藤井:(最終的には)倍ぐらい作っていただいた(笑)。
野田:30曲入りですね、今回のサントラは(笑)。
■音楽で“魔法”みたいなことをしたかった
――本作の劇伴(劇中で流れる音楽)について
野田:一番の理想は、見る人がそこに音楽が鳴っていたかどうか気づかない、それぐらいの音をここには乗せようっていうシーンがたくさんあって。(茉莉と和人の)2人だけに目がいって「あれ? 音鳴ってたっけ?」ってわからないぐらいのもの。だけど、あとでサントラ聴いた時に、すぐそのシーンがよみがえるような、そういう“魔法”みたいなことをしたいなって思いました。
――バンドでの音楽制作と映画の音楽では、作業的に全然違うものだと思うのですが?
野田:だんだん年を重ねていったせいもあるかもしれないですけど、僕はもうこっち(映画音楽)の方が、個人的には幸せが多いというか。自分が歌うために曲を作って、自分はこうだっていうことを20年近くやってきて、多くの人に聴いてもらってっていう風に生きてきたけど、新しいまったく違う喜びなんですよね。すばらしい作品があって、そこに生きているみずみずしい登場人物がいて、監督、出演者の思いがあって。その人たちのために何ができるだろうって考えてる時の方が、いまはもしかしたら喜びが強いというか。