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2022年3月10日 22:10

RADWIMPSが主題歌担当 映画『余命10年』野田洋次郎が明かす制作秘話「魔法みたいなことを…」

RADWIMPSが主題歌担当 映画『余命10年』野田洋次郎が明かす制作秘話「魔法みたいなことを…」
藤井道人監督とRADWIMPS野田洋次郎さんによる対談が実現

ロックバンド・RADWIMPSが、劇伴と主題歌を担当した映画『余命10年』。音楽を手掛けたRADWIMPSの野田洋次郎さんと藤井道人監督による対談が実現し、その特別動画が10日、YouTubeで公開されました。

本作は、20歳で難病を患い余命10年ということを知って、もう恋はしないと誓った茉莉(まつり)と、生きることに迷い自分の居場所を見失った和人(かずと)の2人が、ひかれあう姿を描いた作品。茉莉と同じく難病を患い、余命10年を生きた小坂流加さんによる原作小説を映画化。3月4日に公開を迎えると、3日間で興行収入3億円を突破しました。

対談動画では、藤井監督と野田さんが、楽曲の制作秘話や楽曲に込めた思いについても語りました。

■藤井道人監督×RADWIMPS・野田洋次郎 対談

――主題歌「うるうびと」について、2人の中で打ち合わせなどはあった?

藤井:いや、なかったですね。僕らが台本をお渡しして、野田さんの思う曲をっていう。

野田:そうでしたね、結構最初から全幅の信頼を寄せていただいている感じがあったので。じゃあ、まず思ったまんま作ってみます、っていう話をして。

――楽曲依頼のいきさつについて

藤井:ちょっと僕はムチャブリ&詐欺まがいで…。「野田さんに今回『余命10年』の音楽やってほしいんです!」と伝えると「全然やりたい」って言ってくださって。「でもどれぐらい曲数あるの?」って言われた時に、とっさに「まぁ…15曲ぐらい…あんまり音楽多くないイメージなんですよ」って言ったんですよ。

野田:いまだに覚えてるのは17、18だったかな。

藤井:(最終的には)倍ぐらい作っていただいた(笑)。

野田:30曲入りですね、今回のサントラは(笑)。

■音楽で“魔法”みたいなことをしたかった

――本作の劇伴(劇中で流れる音楽)について

野田:一番の理想は、見る人がそこに音楽が鳴っていたかどうか気づかない、それぐらいの音をここには乗せようっていうシーンがたくさんあって。(茉莉と和人の)2人だけに目がいって「あれ? 音鳴ってたっけ?」ってわからないぐらいのもの。だけど、あとでサントラ聴いた時に、すぐそのシーンがよみがえるような、そういう“魔法”みたいなことをしたいなって思いました。

――バンドでの音楽制作と映画の音楽では、作業的に全然違うものだと思うのですが?

野田:だんだん年を重ねていったせいもあるかもしれないですけど、僕はもうこっち(映画音楽)の方が、個人的には幸せが多いというか。自分が歌うために曲を作って、自分はこうだっていうことを20年近くやってきて、多くの人に聴いてもらってっていう風に生きてきたけど、新しいまったく違う喜びなんですよね。すばらしい作品があって、そこに生きているみずみずしい登場人物がいて、監督、出演者の思いがあって。その人たちのために何ができるだろうって考えてる時の方が、いまはもしかしたら喜びが強いというか。

■“あと10年しか生きられない”感情を、野田さんに描いてもらいたかった

いつか野田さんに映画の音楽を担当してもらいたいという思いを心に秘めていたという藤井監督。なぜ、今回楽曲を依頼したのでしょうか。

藤井:10代から野田さんの音楽を聴き続けてきて、野田さんの音楽の特徴っていうのは、目に見えない、人が言い表せない心の感情の機微っていうものを、ずっと届けてくれていたような気がして。“あと10年しか生きられなかったら”っていう感情って、言葉にはできないと思うんですよね。(原作者の)小坂さんが生きた10年を、どう描いてくれるんだろうっていうのを単純に、野田さんの音楽で聞いてみたかったっていうところが一番大きな理由ですね。

――完成した映画を見た感想は?

野田:“余命もの”と言われるようなものを作るのは、まずそれだけで覚悟がいると思いますし。見る側にもフィルターがかかって見られるものであるのは、すべての人が自覚しながら作っていて。だけど、それをはるかに飛び越えるぐらいのすごさというか、情熱、真摯(しんし)さみたいなものが、僕は映像を見た時に“画面から飛び出してくる”のを感じて。こんな作品に、初めて実写に音楽をつけられて僕は本当に幸せですし、一生大事にしたいと思える映画です。

――“命や人生”について、作品を通してどのように受け止めましたか?

野田:映画を見終わったら、日々起きて迎えてた今日っていう日が違う景色に見えるのは間違いないだろうなって思うんですね。僕らどっかタダでもらえるもんだと思っていて。努力もせず何の願いも込めずに、明日がくると思っていて。だけどやっぱり今日っていう日は、自分でつかみとって自分の意思で生き抜くものなんだなっていうのを、気づかせてもらって。それだけで、この映画の価値はあるなと思いますし、僕はそれだけで感謝ですね。

――監督はいかがですか?

藤井:いや、いまのです(笑)。いまの野田さんが言ってくださった事です。明日の1日を考えられる映画になってほしいなっていう願いを込めて。やっぱりその1日は、この本を作ってくれた小坂さんが生きられなかった1日かもしれないし。その1日を、自分が責任を持って伝えたいっていう思いで、この映画は作り始めたので、それが伝わってくれればいいなと思いますし。伝わってほしいですね。


『余命10年』公開中
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2022 映画「余命10年」製作委員会