飽きさせない見せ場を、15秒ごとに 人気「縦型ショートドラマ」の作り方【SENSORS】
ショート動画の配信や視聴が、TikTokを筆頭にYouTubeやInstagramでも加速している。なかでも昨今、人気を集めているのが「縦型ショートドラマ」だ。1話3分足らずのものを始め、多くは10分以内で製作される。
テレビとは違う、スマホでの動画視聴習慣とマッチするドラマ製作の秘けつとは。
日テレ公式 ショートドラマ「毎日はにかむ僕たちは。」などのヒット作を配信するクリエイターチーム「ごっこ倶楽部」の多田智さん(総監督)、早坂架威さん(役者兼監督)に聞いた。
■“インパクト”と“ハプニング”…いかに起こすか
────現代の視聴習慣に合わせたドラマを作るには、例えばどの様な点に気をつけるべきなのでしょうか。
多田
例えば、脚本を書くときは、いかに“ハプニング”を起こすかを意識しています。何も起きないと視聴者は離脱してしまうので、だいたい15秒毎に無理やりでもハプニングが起きるように意識しています。ドラマのいいところは、リアリティはあるけど現実ではないこと。現実世界では起こらなさそうなことでも、ドラマならなんでも起こせます。「そこでは現れないでしょ」「そんな間違えないでしょ」ということでも、ドラマだから起こせることとして入れ込みます。
早坂
撮影や演出でもインパクトを意識していますね。例えば、言葉のイントネーションを特徴的にしたり、派手な衣装を選んだり。脚本段階で視聴者が離脱しそうなポイントを事前に抑えて、撮影時に工夫するようにしています。例えば、会話劇で絵としてのインパクトがないようなシーンであれば、必要以上に机を叩くとか、演出で動きをつけます。
個人的には「わかりやすさ」を大切にしています。視聴者が集中して見ていないことを前提に、わかりやすい映像を使ったり、大事なシーンの前で音を止めたり。集中していない状態でも「ここが大事なシーンだ」と明らかにわかるような編集を意識しています。
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■「セリフはテロップ表示」「最初の2秒で…」
(5月18日放送『Z STUDIO SENSORS』より再構成)