自分が呼吸できる時間・共感しあえる場を~“宝塚OG”が描く「女性がより輝く社会」
女性がライフステージとともに直面する「カラダや心の悩み」にどう向き合い、ケアすればよいのでしょうか。女性に寄り添う取り組みを行う元タカラジェンヌ3人に「女性がより輝く社会」をつくるために大切なことを、中島芽生アナが取材しました。
■“自分が呼吸できる時間”をもってリフレッシュ
東京・渋谷区。
中島アナ)「アプレジェンヌの中島と申します」
冴月さん)「はい!冴月です。よろしくお願いします」
中島アナ)「やっぱりステキですね。出で立ちが。お美しい」
元宝塚歌劇団・花組副組長の冴月瑠那さん。しなやかなダンスと表現力に定評のあった冴月さんは、現在、フィットネスクラブ広尾のスタジオプロデューサーとして、宝塚の名曲を一緒に踊るレッスンを担当しています。
冴月さん)
「自分も踊っていることが大好きなので、出た作品も一生の財産だなと思いまして。宝塚の曲で踊る楽しさを皆さんにお伝えできたら素晴らしいなと思い、挑戦して始めさせていただきました。皆さん高揚感だったり、かっこつけて踊ってくださいという曲で、すごいバリバリに決めたりしてくださると、こっちがワクワクします」
現役時代から、体や心のケアのために心がけていることをうかがうと…。
冴月さん)
「“自分が呼吸できる時間”を持つことで、(体調やメンタルを)保っていられたのではないかなと思います」
体をいたわることで、心も前向きになれるといいます。
私たちも日常で簡単にできることを教えてもらいました。
冴月さん)
「お仕事・子育て・家事とかで疲れて、お風呂に入ってハァ~ってなったりすると思うんですけど、そういう時にちょっとだけ足の指や裏とかを刺激したり、首の筋とかを触ってもんであげたり。ちょっと自分の体をいたわってあげる時間を少しでも日常でとれると、凝り固まった体とかが変わっていくと、気持ちも変わってくるのかなと。なので、ほぐしてあげることは大切かなと思います」
このフィットネスクラブでは今後、キッズレッスンやコワーキングスペースを設けるなど、子育てや仕事を頑張る女性たちをより応援していきたいといいます。
冴月さん)
「ご自身の好きなことをする時間をなるべく、言うのは簡単で難しいと思うんですけど、そういう時間をとっていただいて、リフレッシュして、また日常を頑張って過ごしていただければ、より輝いていけるのではと思います。本当は輝く力はみんな秘めていると思うので。それを解放できる時間を持っていただけたらと思います」
■“女性の悩み” 共感しあい、寄り添える場を
一方、ライフステージによって変化する「女性の悩み」に寄り添う取り組みを行っているのは、元月組娘役の咲希あかねさんと、元宙組娘役の綾瀬あきなさん。
咲希さんは退団後、舞台などに立ちながらヨガインストラクターとしても活躍。2021年、女性の体や心の健康のケアをしたいと「フェムケア」商品を扱うブランド、「Femone(フェモネ)」をたちあげました。その思いに共感した綾瀬さんとともに、現在、運営を行っています。
咲希さん)
「私たち宝塚にいたので、体をメンテナンスするとか、自分を見つめるという機会が普通の方よりも多いのか、退団してから、体をどういうメンテナンスをしてきたのかという話をすると、『それ知れて良かった』とか『ありがとう』とか言われる機会が多くて。悩みが解決すると生活もすごく変わっていくと思うので、みなさんに知っていただく場を作りたいっていうのが初めのきっかけでした」
綾瀬さん)
「あんまり頑張りすぎずに取り込めて、それを使うことによって快適に改善していけばいいなと思うものを選んでいます」
現役時代、稽古や公演でハードな日々を過ごすなかで、「毎日の体の変化」を実感し、ケアをしてきた2人。女性にもっと自由で心地よい日常を…。その思いのもと、月経や妊活、産後ケアなど年齢とともに抱える“女性の悩み”に寄り添うアイテムや男性向けも厳選。期間限定ショップやオンラインで販売しています。
中島アナ)「まず気になるのはこの月経カップです。これは、どういう」
咲希さん)
「これって入れるの?っていうのが怖い、使うのが怖いっていうのがまずあったんですけど。経血を中でとどめてくれるものなんです。退団してから使い始めたので、もっと早く使い始めたかったなと思います。やっぱり、舞台にたつとトイレに何回も行けなかったりとかしたので」
こちらは、産後ケアのアイテム。
綾瀬さん)
「(産後に)骨盤底筋というのが緩んでくると、尿漏れだったりっていうのが起こってしまって。それを改善していくために使うものなんですけど。ちょっと触っていただくとわかるんですけど」
中島アナ)「あ、コロコロって。これ何ですか?」
綾瀬さん)
「振動がくるので膣(ちつ)の中に入れていただくと、(骨盤底筋に)意識ができる。存在感があるので」
実は、宝塚で学んだ「カラダの使い方」にもつながるアイテムだといいます。
咲希さん)
「踊る時とか、先生からも内側(の筋肉)からって言われますね。そこだけ入っているとスッと踊れたりするので。女性のシルエットがきれいなのって、骨盤底筋がきれいなのが、ひとつ姿勢もあるのかなって思います」
中島アナ)「確かに、いま聞きながらキュって自分の背筋が伸びた感じがすごくします」
こちらは「食べるフルーツティー」。大きめのドライフルーツが入っています。体の内側から癒やして欲しいという思いをこめて開発したといいます。名前にもにもこだわりが…。
綾瀬さん)「モーニングフラワー、アフタヌーンコスモス、ナイトムーン」
咲希さん)「組の」
中島アナ)「ほんとですね!花組、宙組、月組」
女性だけで構成される宝塚歌劇団。そこで学んだ「女性の悩み」が今に生きているといます。
咲希さん)
「(宝塚歌劇団は)女性がすごくたくさんいるので、自分の悩みじゃないところも知れたというのは大きいと思います。年代ごとの女性の悩みっていうのを知れるので。早めにそうならないように、“こうした方がいいよ”とか上級生から教えてもらったり、自分も下級生に“20代だからとかじゃなく、やっぱり早めにやった方がいいよ”って言えたりとか、言っていただいたり。アイテムを、“こんなの使ったら?”って言っていただける環境ではあったので。そこはすごく、今の仕事の上で、こういう人もいたなとか、自分たちの悩みじゃないところも解決していきたいなとか考えると、すごく必要なものだったかなと思います」
最後に、女性がより輝ける社会になるにはどうすればいいと思うか尋ねました。
綾瀬さん)
「自分以外の女性がどんな悩みがあって、同じ悩みじゃないかもしれないですし、それを共感できる・できないもあると思うんですけど。自分のまわりと、まわりの方たちも、悩みを共感できてサポートできるような状況になれば、もっと輝けるのかなと思います」
咲希さん)
「男性の理解ってすごく言われると思うんですけど、でも女性同士だからこそ、厳しかったりする部分もあると思うんです。でも悩みの深さってそれぞれ違って、同じ女性だからってはかれない部分もある。こういう人がいるんだなって知ることで、働きやすい環境って作れると思います。まわりの環境によって働きやすかったりとか、輝ける場所が増えていきやすいのかなと思います」