×

尾上菊之助、約2年半ぶりの『風の谷のナウシカ』再演に「喜びでいっぱいです」

2022年6月24日 21:45
尾上菊之助、約2年半ぶりの『風の谷のナウシカ』再演に「喜びでいっぱいです」
尾上菊之助さん
7月4日から東京・歌舞伎座で上演される、『七月大歌舞伎』第三部『風の谷のナウシカ 上の巻-白き魔女の戦記-』に出演する尾上菊之助さん(44)が、日本テレビの取材に応じ、作品の見所や意気込みについて明かしました。

■約2年半ぶりの再演に菊之助「喜びでいっぱいです」

2019年12月に新橋演舞場で初演された新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。原作は、映画監督・宮崎駿さんの漫画『風の谷のナウシカ』(全7巻)です。

約2年半ぶりとなる今回の上演では、初演をもとに、主人公・ナウシカと対をなす存在で、さまざまな苦悩や葛藤のなかで、凜として美しく生きる皇女・クシャナの姿がより深く描かれます。

今回の再演について菊之助さんは、「こんなに早く再演をさせていただけるとは思っていなかったので、私自身も実は驚いていて、驚きと同時にずっと再演をしたいと願っておりましたから喜びでいっぱいです」と話しました。

■菊之助が語る『風の谷のナウシカ』登場人物の魅力

2019年の初演では、主人公のナウシカを勤めた菊之助さん。今回の上演では“いつかやってみたい”と思っていたというクシャナを勤めます。

「『風の谷のナウシカ』の登場人物って、誰もが主役になりうるキャラクターなんですよね。前回中村七之助さんに素晴らしく魅力的なクシャナを演じていただいていて、私もそばでナウシカを演じていたんですけれども、今回クシャナっていうお話をいただいた時にすごくチャレンジングなことではあるんですけれども、前回、七之助さんの演じた心をいただきつつ。クシャナの魅力って秘めた女性性だと思うんです。軍人だし“白き魔女”って言われるくらい剣術にたけていますし、非常に強いイメージなんですけども、彼女が抱えているものっていうのは、非常に繊細で、女性らしいものを抱えているので、そこをメイクや衣装、それからしぐさで秘めた美しさが出ればいいなと今から思っています」とクシャナの魅力や、意気込みを語りました。

また演出も担当する菊之助さんは「今回演出として私、それから尾上菊之丞さん、G2さん(舞台演出家・劇作家)と一緒に名を連ならせていただきますけれども、前回同様自分がどうこうということではなくて、みんなで作り上げていくものだというふうに思っておりますので、私にできることっていったら、みんなに負担をかけずに、闊達(かったつ)になれる場所をつくることが演出の仕事だというふうに思っているので、とにかくみんなの意見を聞きつつ、前に進んでいくことだと思っています」と明かしました。

今回の公演には、若い俳優が多く出演。その思いについて「若い方たちと一緒に舞台を作り上げていくっていうのは常々思っていたことで、また先輩方も今回多く出てくださいますから、そういうふうに先輩・中堅・若手という中で芝居を作り上げていくと、若い人たちの考え方、その間に立っている人間の立ち位置、上の方たちの技術、それが合わさった時に歌舞伎っていうものは伝承という形で技術が伝承されてきておりますので、その先輩たちからいただいた恩をまた若い人たちにも伝えて、みんなで一緒に歌舞伎を盛り上げていきたいなという思いです」

■菊之助「ナウシカをきっかけに古典の魅力に触れていただく機会を」

最後に、菊之助さんは「前回をご覧になった方は“前回とここは違うな”と楽しんでいただけると思いますし、今回初めて見る方も“これはアニメ版のいいところをとってるな”と、原作を知っている方は“何巻のどこどこだな”というふうに見ていただけると思いますし、古典歌舞伎を見に行くっていう、少し肩ひじを張らないといけないっていうふうに思ってしまうかもしれないんですけれども、今回のナウシカをきっかけに古典に触れていただいて、歌舞伎の魅力に少しでも、触れていただくっていう機会が作れればなというふうに思っております」と思いを明かしました。