市川團子「まさか僕が・・・」 祖父・猿翁さんも演じた役 初役に挑む
第三部は、文豪・泉鏡花の戯曲のなかでも名作とされる『天守物語』が上演されます。白鷺城(姫路城)の天守閣の最上階にすむ美しく気高い天守夫人・富姫と、若き鷹匠・姫川図書之助の恋が描かれ、美の本質、真の純粋さを希求した傑作です。
演出は坂東玉三郎さんで、2014年以来10年ぶりに富姫を勤め、そして團子さんは初役で姫川図書之助を勤めます。
玉三郎さんとの共演について團子さんは「これまで澤瀉屋のお芝居に出させていただくのが中心だったんですけど、初めて違う家の方とお芝居をさせていただくことで、自分がどのように食らいついていけるか、またいっぱい学んでいきたいと思っております」と話しました。
初役に挑む團子さんは、「まさか僕がっていうのが一番の思いですけど」と語り、「この役、実は祖父(市川猿翁さん 当時・猿之助さん)が、昭和40年1月に坂田藤十郎さん(当時・中村扇雀)と勤められていたということがあって、祖父と同じ役ができるというのがうれしいですし、『天守物語』のことは知っていたので自分にはあまり挑んだことのないタイプの作品。空気感がすごく精密に構成されている。そういう舞台に出させていただくのは初めてなので、どう演じようというのは不安。緊張はありましたけど楽しみだなという思いはあります」と心境を語りました。
そして、「新しいジャンルに挑ましていただくことになると思うんですけど、とにかく精いっぱい頑張って、感情を大切にしながら、きちんと台本と向き合って自分でお役をそしゃくできるように、そしてお客さんに楽しんでいただけるよう頑張ってまいります」と話しました。