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ゴールデングローブ賞“アジア系”が躍進 ボンドガール出身と元子役が主演女優賞&助演男優賞

2023年1月11日 22:25
ゴールデングローブ賞“アジア系”が躍進 ボンドガール出身と元子役が主演女優賞&助演男優賞
助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンさん(写真:ロイター/アフロ)
アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞が日本時間11日に発表され、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日公開 配給:ギャガ)が主演女優賞と助演男優賞の2冠を達成。受賞した2人の俳優に注目しました。

この作品の主人公は、破産寸前のコインランドリーを経営し、優しいだけで頼りにならない夫など家族に悩まされる主婦・エヴリン。人生どん底状態の彼女の前に“別の宇宙から来た”と名乗る夫が現れ、使命を言い渡されたエヴリンはマルチバース(並行世界)にジャンプ。“カンフーマスター”ばりの身体能力を手に入れ、壮大な闘いに挑む物語です。

■ボンドガールに抜てき 第一線で活躍するアジア系女優

主人公・エヴリンを熱演し、主演女優賞に輝いたのが俳優のミシェル・ヨーさん(60)。マレーシア生まれのミシェルさんは、ジャッキー・チェンさん主演の『ポリス・ストーリー3』(1992年)などで、香港を代表するアクションスターに。長い歴史を誇る007シリーズで、アジア人として史上2人目となるボンドガールに抜てきされ、ハリウッドデビューします。

その後、アカデミー賞4部門を受賞した『グリーン・デスティニ―』(2000年)では、華麗な剣さばきとワイヤアクションを披露。近年も、全米で大ヒットした『クレイジー・リッチ!』(2018年)やマーベル作品『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年)など話題作に出演し、ハリウッドの第一線で活躍し続けています。

■子役出身 20年ぶりの俳優業で賞レース軒並み受賞

そして、エヴリンの夫・レイモンドを演じ助演男優賞を受賞したのが、ベトナム生まれの俳優キー・ホイ・クァンさん(51)。両親は中国人移民で、ベトナム戦争後の混乱から逃れて1979年からロサンゼルスのチャイナタウンで暮らします。そこで、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)でハリソン・フォードさんと共演する中国人少年のオーディションが行われ、抜てき。『グーニーズ』などに子役として出演し、一世を風靡(ふうび)します。

その後、俳優業を休止し、助監督や武術指導のアシスタントなどで映画界を支えていましたが、この作品のオーディションを受け20年ぶりに復帰。ゴッサム・インディペンデント映画賞やニューヨーク映画批評家協会賞など、助演男優賞を軒並み受賞するなど、見事な復活を遂げました。

今回の受賞で、この作品は【416ノミネート 162受賞(1月11日現在)】となり、賞レースを席巻中。この波にのり、映画界最高の栄誉・アカデミー賞に2人がノミネートされるか注目です。